Gartnerは、Z世代とミレニアル世代の顧客は問題のセルフサービス(自己解決)を好み、サービス担当者に連絡したがらない傾向があるとした上で、今後の顧客基盤の中心となる若年層にふさわしいカスタマーサービスやサポートの在り方を解説した。
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Gartnerは2023年10月30日(米国時間)、カスタマーサービスに対する若年層の意識が大きく変化しているとする調査結果を発表した。調査結果を受けて、カスタマーサービスやサポートのリーダーがどのように対応すべきか、同社カスタマーサービス&サポート業務リサーチ部門のシニアスペシャリスト、マイケル・レンデルマン氏が解説している。
Z世代とミレニアル世代に関して見られる最大の変化は、セルフサービスを好むことだ。Gartnerが2022年12月に6138人の顧客を対象に実施した調査によると、Z世代とミレニアル世代の顧客の38%が、カスタマーサービスに関する問題をセルフサービスで解決できなければ、解決を諦める可能性が高いと回答している。
この回答は、問題の自己解決を好む傾向を示すと同時に、カスタマーサービス担当者と話すことに消極的な傾向も示している。生成AI(人工知能)のような技術は、検索結果へのアクセスを容易にし、より複雑な機能を提供することで、セルフサービスによる知識検索への依存を加速させると予想されるとした。
またX世代やベビーブーマー世代はセルフサービスで問題が解決できなければ担当者に連絡する傾向が強い。ベビーブーマーの半数以上(55%)は、解決を諦めるのは複数の人に問い合わせても答えが見つからなかった場合だけだと回答しているのに対し、Z世代ではわずか31%にとどまっている。
Z世代やミレニアル世代の顧客は、サービスの問題を自己解決できない場合、次のように考えている。
自己解決を好むZ世代の顧客は、顧客ロイヤルティーとブランドの評判に重大な影響を与える。Z世代の顧客基盤に占める割合が大きくなるにつれ、彼らの好みやカスタマーサービスへの期待に対応できなかった場合の影響は、企業の収益に直接影響する可能性が高いと、Gartnerは述べている。
カスタマーサービスやサポートのリーダーは、顧客が自己解決を望む最も一般的な問題を特定すること、および、顧客が探しているものが見つからない場合にフィードバックを提供できるようにする必要があるとした。
「顧客がセルフサービスで問題を解決できることが理想だが、自己解決に失敗しても諦めず、アシストサービスに切り替える手助けをしなければならない。多くの若い顧客は自分で切り替えようとしないため、サービスリーダーは切り替えを促す方法を探すべきだ」
顧客が自己解決に苦労しているなら、ライブチャットを開始するか、担当者に電話するオプションをポップアップ表示する。先を見越したアプローチで、顧客が問題を放棄するのを防ぎ、顧客満足度を向上させることができるという。
セルフサービスに失敗し、顧客自身が担当者とのコンタクトに切り替えなければならない可能性が高い、製品の故障や請求などの問題については、カスタマーサービスとサポートのリーダーは、チャネル間の切り替えをできるだけシームレスにする必要があるとした。
「シームレスな移行を経験した顧客は、次に問題が発生したときにセルフサービスから始める可能性が74%高いことも報告されている。セルフサービスチャネルから収集した相談内容を担当者が確実に把握することで、カスタマーサービスリーダーは顧客が情報を繰り返し説明しなければならなかったり、不要な摩擦が生じたりするのを回避できる」
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