本連載は、PowerShellコマンドレットについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は「Initialize-Disk」コマンドレットを解説します。
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本連載では、Windows PowerShellの基本的なコマンドレットについて、基本的な書式からオプション、具体的な実行例までを分かりやすく紹介していきます。今回は、コンピュータに接続されたディスクを初期化する「Initialize-Disk」コマンドレットです。
コンピュータに新しい物理ディスクを接続した際、そのままではWindows OSからディスクとして参照することはできないため、必ず初期化作業が必要となります。GUIであれば「ディスクの管理」ツールから初期化を実施します。新しいディスクを接続して初めてツールを起動した際、以下のような画面を見たことのある方は多いでしょう(画面1)。
まさにこの画面で実施する作業が「ディスクの初期化作業」です。初期化作業によってコンピュータからディスクへのアクセスが可能になり、データの格納領域となるパーティションを作成できるようになります。
Initialize-Diskは、このディスクの初期化作業をPowerShellで行う際に使用するコマンドレットです。ディスクの初期化は、前述のように新しいディスクをコンピュータに接続した場合や、本連載第92回で紹介した「Clear-Disk」コマンドレットで全データを消去したディスクを再利用する際に必要な作業となります。
なお、本コマンドレットではパーティション形式としてMBR(マスターブートレコード)またはGPT(GUIDパーティションテーブル)が指定可能ですが、この両者の詳細に関しては@ITの記事「Tech TIPS:Windowsディスクのパーティションとは? 〜その作成/変更前に押さえておくべき基礎知識〜」を参照してください。
オプション | 意味 |
---|---|
-Number | 初期化したいディスクの番号を指定する。「-UniqueId」オプション指定時には省略可能 |
-UniqueId | 初期化したいディスクのユニークIDを指定する。「-Number」オプション指定時には省略可能 |
-PartitionStyle | パーティション形式(GPT/MBR)を指定する。省略可能 |
ディスク番号のみを指定してInitialize-Diskコマンドレット実行した場合、指定された番号のディスクが初期化されます(画面2)。なお、本コマンドレット実行時には管理者権限が必要となります。
Initialize-Disk -Number 0
「-PartitionStyle」オプションを指定しない場合は、デフォルト値である「GPT」が適用されて初期化されます。
Initialize-Diskコマンドレットは、“初期化されていないディスク”に対してのみ実行可能です。初期化済み、もしくは使用中のディスクに対して実行しても「初期化済み」として実行できません(画面3)。
現在においてパーティション形式はGPTで全く問題ないですが、明示的にMBRを指定してディスクを初期化することも可能です。その場合は、「-PartitionStyle」オプションで「MBR」を指定してInitialize-Diskコマンドレットを実行します(画面4)。
Initialize-Disk -Number 0 -PartitionStyle MBR
ディスクを初期化しただけでは、Windows OSからデータの書き込みはできません。必ずパーティションの作成と、フォーマット作業が必要になります。もちろん、これらの作業もPowerShellで実行可能です。
Microsoft MVP for Cloud and Datacenter Management(2012-2024)。現業の傍ら、コミュニティーイベントでの登壇や著作にてMicrosoftテクノロジーに関する技術情報の発信、共有を続けている。ネットワークやハードウェアといった物理層に近いところが大好きな、昔ながらのインフラ屋さん。得意技はケーブル整線。近著は『詳解! Windows Server仮想ネットワーク』(日経BP社)。
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