ガートナージャパンは、エグゼクティブリーダーがイノベーションを主導するために押さえておくべき3つのステップを発表した。「不確実な時代にイノベーションを追求するエグゼクティブリーダーは、自らが次のディスラプターとなることを目指すべきだ」としている。
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ガートナージャパンは2024年2月5日、エグゼクティブリーダーがイノベーションを主導するために押さえておくべき3つのステップを発表した。同社は、絶え間なく変化する昨今の労働環境の中でうまくかじ取りをするために、エグゼクティブリーダーはイノベーションを加速させる必要があると指摘している。
だが、イノベーションを阻害する要因(障壁)に悩むITリーダーは多いようだ。イノベーション推進に関わるITリーダーを対象にしたGartnerの調査によると、社内人材の能力や社内のリスク選好度、組織文化などが「自社のイノベーション活動に影響を及ぼしている」という。
ガートナージャパンが勧める、イノベーションを主導するための3つステップは以下の通り。
第1のステップは、従業員に創造や探求をもたらすトレーニングと教育リソースを提供すること。ガートナージャパンは「これによって従業員は、イノベーションのフレームワークを理解し、新しいアイデアの創出や探索の方法といったイノベーション活動を実行するためのスキルと能力を身に付けられる」としている。
第2のステップは、イノベーションを進めるチームに権限を与えること。イノベーションを起こしやすい環境を提供する際は、イノベーションチームに権限を与えるためにガバナンスを緩和する。その後、ビジネス上の重要度と複雑性が増すにつれて、ガバナンスを段階的に強化し、ビジネス部門が主導したり、IT部門と提携したりして「一緒に監督、統制することが重要だ」とガートナージャパンは指摘している。
第3のステップは、共通のビジネス成果の達成を阻害するルールは「破ってもよい対象」と考えること。
ガートナージャパンのバイスプレジデントアナリストでGartnerフェローの藤原恒夫氏は、「エグゼクティブリーダーは、キャリアを賭け、より高いリスクを負って、これまで到達できなかった高みを目指して競合に打ち勝つ必要がある。ルールを破って常識を疑い、絶対に諦めることなく現状を打破して変化をリードし続けることが求められる。不確実な時代にイノベーションを追求するエグゼクティブリーダーは、自らが次のディスラプターとなることを目指すべきだ。企業が何もせず、ディスラプションを起こさなければ、他企業が破壊的な製品やサービスを世の中に先駆けて出し、自企業そのものが近い将来破壊される危険性がある」と述べている。
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