パーソルキャリアは「IT職種の転職前後の平均年収レポート」を発表した。2023年1〜6月の期間に転職した人で、転職前後の平均年収増加幅が最も大きいポジションは「セキュリティエンジニア」だった。
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パーソルキャリアは2024年2月8日、「IT職種の転職前後の平均年収レポート」を発表した。これは、同社が運営する転職サービス「doda」を利用して2023年1〜6月の期間に転職した人を対象に、年収について調査した結果をまとめたもの。転職前の年収と転職後の決定年収の平均値、増加幅などを算出している。
2023年1〜6月の転職者の平均決定年収は451万円。IT職種(SE《システムエンジニア》、インフラエンジニア、Webエンジニア)に限ると、477万円だった。IT職種は転職後に給与が上がった人の割合も高い傾向にあった。
パーソルキャリアは「IT人材不足で採用難易度が高まっている昨今、給与水準を見直すことで離職防止や採用力強化を狙う企業が増えたことが、IT職種の平均決定年収が高くなった要因だ」と分析している。
IT職種の転職前後の平均年収増加幅を見ると、トップは「セキュリティエンジニア」の67万円増加(転職前490万円、転職後557万円)。次いで、「ITコンサルタント」の64万円増加(転職前520万円、転職後584万円)、「データサイエンティスト」の50万円増加(転職前506万円、転職後556万円)が続いた。
パーソルキャリアによると、企業で仮想サーバやクラウドで情報を管理するケースが増えている一方、セキュリティエンジニアの需要が伸びているが、市場に経験者は少なく、企業はセキュリティエンジニアの決定年収を引き上げているという。
転職前に就いていたポジション別に見ると、「データサイエンティスト」は異業種、同職種への転職が多い。特に、IT通信業界からコンサルティング会社への転職が多かった。
これに対して「セキュリティエンジニア」の経験者は、同業種、同職種への転職が多い。「例えば、金融業界やインフラ業界などで、業界経験を生かしてさらにセキュリティレベルの高い業務ができる企業に転職するパターンが目立つ」とパーソルキャリアは分析している。
第3位の「インフラエンジニア」についてdoda編集長の加々美 祐介氏は「テレワークが浸透したことでクラウド化を進める企業が増えており、特に『Amazon Web Services』(AWS)や『Microsoft Azure』を扱えるエンジニアのニーズが高まり、人材獲得競争が激化している」と述べている。
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