「Windows Admin Center 2311」がマイナービルドアップデート、更新後のAzureサインインエラーに要注意Microsoft Azure最新機能フォローアップ(215)

Windows Admin Center(WAC)2311のマイナービルドアップデート「1.5.2402.08001」がリリースされました。Microsoft Updateを使用するように構成してある場合は、数週間のうちにWindows Update経由で更新されるはずですが、それを待たずに手動で更新することをお勧めします。

» 2024年03月01日 05時00分 公開
[山市良テクニカルライター]

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「Microsoft Azure最新機能フォローアップ」のインデックス

Microsoft Azure最新機能フォローアップ

WAC 2311の更新ビルド「1.5.2402.08001」

 本連載第211回でお伝えしたように、Microsoftは「Windows Admin Center(WAC)」の最新バージョン「WAC 2311」を2023年12月12日(米国時間)にリリースしました。この一般提供(Generally available《GA》)ビルドは「1.5.2312.09001」です。

 そして、Microsoftは2024年2月13日(米国時間)、WAC 2311では初めてのビルドアップデート「1.5.2402.08001」をリリースしました。このリリースについては、WAC 2311のGAをアナウンスした以下の公式ブログに小さく追加されています。ただし、このビルドに関するリリース履歴は現時点では公開されていません。

 このビルドアップデートでは、ローカライゼーションと「Azure Arcオンボード(登録)」の品質が改善されたマイナーアップデートと説明されています。新たにWAC 2311を導入する場合は、以下のリンクからWAC 2311(ビルド1.5.2402.08001)のWindowsインストーラーパッケージ「WindowsAdminCenter2311.msi」をダウンロードしてインストールしてください。

 既にWAC 2311を導入済みである場合は、WACのトップページに「新しい更新プログラムが利用可能です。[設定]に移動してください。」のメッセージが表示されるので、「設定」の「更新」を開き、「今すぐダウンロード」をクリックすることでWindowsインストーラーパッケージをダウンロードできます(画面1)。

画面1 画面1 WAC 2311を導入済みの場合は、WACのトップページに更新が利用可能であると案内されるので、「設定」→「更新」ページからダウンロードを開始する

 なお、Windowsインストーラーパッケージのファイル名は、GAビルドと同じ「WindowsAdminCenter2311.msi」であるため、更新ビルドのWindowsインストーラーパッケージの取り違いに注意してください。GAビルドのファイルサイズは「102,952KB」、デジタル署名のタイムスタンプは「2024年12月9日 19:45:22」です。一方、更新ビルドのファイルサイズは「103,584KB」、デジタル署名のタイムスタンプは「2024年2月8日 19:44:47」です(画面2)。

画面2 画面2 更新ビルドのWindowsインストーラーパッケージを実行して更新を開始する。GAビルドと更新ビルドでファイル名が同じであることに注意

 WAC 2311のセットアップ時に「更新プログラムを確認するときにMicrosoft Updateを使用する(推奨)」を選択した場合は、数週間のうちにWindows Update経由で更新されるはずです。ただし、最新ビルドに更新されるまでは拡張機能が更新されなくなるため、できるだけ早く手動で更新することをお勧めします。

 WAC 2311への更新が完了すると、停止されていた拡張機能の更新も開始され、しばらくすると最新状態になります(画面3)。

画面3 画面3 WAC 2311の更新後のバージョンは「2311」、ビルドは「1.5.2402.08001」

[要注意]AzureサインインのSPAエラーへの対処方法

 WACで「Microsoft Azure」(以下、Azure)のサービスやハイブリッド機能を利用するには、Azureアカウントでサインイン(以下、Azureサインイン)する必要があります。WAC 2311以降に更新すると、以前は問題のなかったAzureサインインがエラーになる場合があります。これは、WACの新バージョンで認証の実装方法が変更された影響です(画面4)。

画面4 画面4 WAC 2311(GAおよび更新ビルド)に更新すると、Azureサインインがエラーで失敗する場合がある

 WAC更新後のAzureサインインエラーは「SPA(シングルページアプリケーション)エラー」として報告され、以下のWebページに対処方法が示されています。

 具体的には、「Microsoft Entra管理ポータル」(https://entra.microsoft.com)にアクセスして、「ホーム」→「アプリの登録」からWAC用アプリケーション(例:「WindowsAdminCenter-https://コンピューター名」「WindowsAdminCenter-https://localhost:6516」など)を開き、「認証」の「Web」パネルの「リダイレクトURI」に表示されている警告をクリックして、URIを選択して「構成」をクリックします(画面5)。

画面5 画面5 Microsoft Entra管理ポータルでWAC用アプリケーションのリダイレクトURIをSPAプラットフォームに更新する

 筆者のWAC 2311 GAビルド環境では、「ゲートウェイモード」のWACでこのエラーに遭遇しました。今回の更新ビルドでは、「Windows 11」上のスタンドアロンモードのWACでも同じサインインエラーに遭遇し、対処する必要がありました。

筆者紹介

山市 良(やまいち りょう)

岩手県花巻市在住。Microsoft MVP 2009 to 2024(Cloud and Datacenter Management)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。Microsoft製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。近著は『Windows版Docker&Windowsコンテナーテクノロジ入門』(日経BP社)、『ITプロフェッショナル向けWindowsトラブル解決 コマンド&テクニック集』(日経BP社)。


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