生成AI市場の主戦場は「基盤モデル」から「開発プラットフォーム」へ? ITRが生成AI戦略に関する資料を公開ユースケースに基づいて実装アプローチを提言

ITRは、ホワイトペーパー「生成AIの真価を引き出すアプリケーション戦略」を公開した。生成AIのユースケースごとに、最適なアプリケーション利用形態を選択するための検討ポイントを整理している。

» 2024年06月04日 08時00分 公開
[@IT]

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 アイ・ティ・アール(ITR)は2024年5月31日、ホワイトペーパー「生成AI(人工知能)の真価を引き出すアプリケーション戦略」を公開した。生成AIの価値を引き出すためのアプリケーション戦略について解説している。

画像 プレスリリース

生成AIアプリケーションの代表的な4つの利用形態

 生成AIは投資対象として注目を集めているが、導入した企業の評価は決して高くないとITRは言う。同社はその理由を「生成AIの真価を発揮させるには事前学習させたLLM(大規模言語モデル)などの基盤モデルと、業務フローを結び付けるアプリケーション環境の整備が欠かせないが、それが不十分なのではないか」と分析している。

 生成AIアプリケーションにはさまざまな利用形態がある。ITRはそれらの利用形態を「Use(利用)」「Build(構築)」「Custom(特製)」「Develop(開発)」の4つに分類した。

画像 生成AIアプリケーションの利用形態(提供:ITR

 “Use”は、生成AI機能があらかじめ組み込まれている市販アプリケーションを利用すること。“Build”は、APIなどによってコンポーネントを組み合わせ、ローコード/ノーコードツールなどで独自のアプリケーションを作成すること。“Custom”は、基盤モデルをカスタマイズして利用すること。“Develop”は、基盤モデルの独自開発を含めたオーダーメイドによるアプリケーション構築を目指すものだ。

 ITRが公開したホワイトペーパーには、生成AIのユースケースごとに、これら4つのアプリケーション利用形態のどれが適しているかを判別するための検討ポイントが整理されている。また、生成AIを活用する際に考慮すべきリスクについても取り上げている。

 ITRの舘野真人氏(プリンシパルアナリスト)は、「最新版が次々と提供される基盤モデルに注目が集まりがちだが、今後はアプリケーションの開発、実行環境を提供するプラットフォームが生成AI市場の主戦場となる可能性が高い。ユーザー企業は、生成AIが持つスキルを自社の業務に落とし込むためのアプリケーション戦略を描き、その実現に向けた情報収集やノウハウ、スキルの獲得に着手する必要がある」と述べている。

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