TechTargetは「MVPとプロトタイプの違い」に関する記事を公開した。両者の主な違いは、プロトタイプが市場への配布を目的としていないのに対し、MVPは市場流通を目的としている点だ。
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TechTargetは2024年4月26日(米国時間)、「MVPとプロトタイプの違い」に関する記事を公開した。
プロトタイプとMVP(Minimum Viable Product)の主な違いは、その目的にある。プロトタイプは「アイデアを手元のリソースで実現可能かどうかを確認すること」が目的で、MVPは「市場に対応できる洗練された製品を生み出すこと」が目的だ。
そのため、プロトタイプには既知のバグがあったり、部分的な機能しか実装されていなかったりすることがある。逆にMVPは合意された全ての機能を完全に実装し、市場に流通させられる状態になっている必要がある。
MVPの背後には「エンドユーザーにおける問題解決のカギとなる機能を必要最低限な形で実装し、製品の購入、使用を働きかける」という考え方がある。
起業家や製品オーナーは、作りたい製品に対して壮大なビジョンを持っていることが多いが、投資家は迅速に市場に製品を投入したいと考えている。さらに、製品開発の取り組みにおける全ての利害関係者は、自分たちのアイデアが実現可能であり、収益を生み出すことができるかどうかを知りたいと思っている。重要なのは「機能的な製品を市場に早期に投入し、エンドユーザーの手に届けること」だ。
MVPを構築する開発チームは「完全な製品の縮小版」を作成する。縮小版といえど販売できるレベルの有用な製品だ。そのため、開発チームは必要な主要機能に焦点を当てる。コア機能を実装するだけでなく、全てのバグを修正し、あらゆるコーナーケースに対処し、使いやすさ、パフォーマンス、コンプライアンス、セキュリティなどのさまざまな非機能要件を満たすものにする。
MVPとは対照的に、プロトタイプでは非機能要件について悩まされることはほとんどない。プロトタイプの目的は、コンセプトやアイデアの技術的な実現可能性を証明することで、MVPのように洗練された製品を生産することではないからだ。代わりに、利用可能なリソース(技術、ツール、資金など)でコンセプトを実現できるかどうかを確認することに重きを置いている。
プロトタイプは、製品開発プロセスの早い段階で作成される。ときには正式な製品開発プロセスが始まる前にプロトタイプが作成されることもある。情熱的な個人が資金を求め、自分のコンセプトの実現可能性を世界に示そうとする場合は、これに当たる。
概念実証(PoC)は「アイデアが実行可能で、ビジネスの目標をサポートするということを“理論的に”実証したもの」で、プロトタイプは「生産が実用的であることを“物理的に”示したもの」といえる。プロトタイプは、PoCよりも高いレベルの機能を実装するが、MVPほど洗練されていない。
プロトタイプは本質的に、ステークホルダーや投資家からのフィードバックや入力を集めるために設計されている。そのため、将来の製品リリースへの熱意を生み出すために潜在的な顧客にのみ示されるのが一般的だ。
プロトタイプとMVPの違いは以下のように捉えられる。
なお、概念として「プロトタイプは内部向け」と紹介したが、プロトタイプの製品を市場に投入することを禁じるルールはない。しかし、市場投入を想定しているのであれば、それはプロトタイプではなくMVPの取り組みといえる。
まとめると、プロトタイプは、開発者がさまざまなツール、技術、リソースを使って試行錯誤し、アイデアやコンセプトをどの程度実装できるかを確認するために作成されるもの。MVPは、アイデアが実現できることは既に分かっており、実用的な製品を市場に投入することを目的に作成されるもののことだ。
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