Azure CLI(azコマンド)やBicep CLIには定期的にアップデートが提供されている。なるべくなら新機能の実装や不具合/脆弱性の修正がなされた最新版を使いたいところだ。そこで、これらを速やかにアップデートする方法と注意点を説明する。
対象:Azure CLI(azコマンド)、Bicep CLI、Windows OS
Azureをコマンドラインからコントロールするツールの1つ「Azure CLI」(azコマンド)には、平均すると1カ月に1回程度の更新版がリリースされていることをご存じだろうか?
インストール済みのAzure CLIをそのまま更新せず放置していると、新機能が利用できなかったり不具合に直面したり、さらにはセキュリティ上の脆弱(ぜいじゃく)性に遭遇したりする恐れがある。なるべく最新版を利用したいところだ。
そこで本記事では、インストール済みのAzure CLIをアップデートする方法や、各種バージョンを確認する方法を説明する。また、Bicep CLI(Azure リソースをデプロイするための言語と環境)のアップデートについても触れる。Azure CLIを実行するプラットフォームはWindows OSとする。
まずはインストール済みのAzure CLIのバージョンを確認しよう。それには次のコマンドラインを実行する。
az version
すると以下の画面のように、JSON形式でAzure CLIを始めとする各コンポーネントのバージョンが表示される。
「extensions」キー以下に記載されているのはAzure CLIの拡張機能のバージョンだ。上記の画面では「automation」「resource-graph」という拡張機能がインストールされていることが分かる。Azure CLIのアップデート(手順は後述)を実行すると、デフォルトでは拡張機能も同時にアップデートされる。
一方、配布されているAzure CLIの最新バージョンは、後述のAzure CLIのアップデート中に確認できる他、以下のMicrosoft Learnのページでも把握できる。
このリリースノート一覧の一番上にあるのが配布中の最新バージョンだ。
上記の画面の例では、「バージョン2.61.0」が2024年5月21日から配布されていて、それより新しいバージョンはまだない、つまり2.61.0が最新だと分かる。
インストール済みのAzure CLIを最新版にアップデートするには、次のコマンドラインを実行する。
az upgrade
なお執筆時点で「az upgrade」コマンドはプレビューとされているのは留意していただきたい(筆者は半年以上この方法でアップデートを続けていて、特に問題は生じていない)。
AzureリソースのデプロイにBicepを使っている場合、「Bicep CLI」のアップデートには注意する必要がある。というのも、Azure CLIを上記の方法で最新版にアップデートしても、Bicep CLIの方はアップデートされないからだ。
上記の画面では、Azure CLIとその拡張機能が最新であるにもかかわらず、Bicep CLIはインストール済みのバージョン0.27.1を、最新のバージョン0.28.1にアップデートできることが分かる。
Bicep CLIをアップデートするには、以下のコマンドを実行する。
az bicep upgrade
前述の手順でAzure CLIを更新したら、Bicep CLIも忘れずにアップデートするとよいだろう。
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