Microsoftは、Windows 11の更新プロセスをチェックポイント累積更新プログラムに移行すると発表した。早ければ2024年後半にも、バージョン24H2以降のWindows 11およびWindows Server 2025で、自動的に適用される見込みだという。従来の累積更新プログラムとの違いや移行のメリットを公式ブログで明らかにしている。
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Microsoftは2024年7月15日(米国時間)に公式ブログで、Windows 11の更新プロセスを「チェックポイント累積更新プログラム」に移行すると発表した。
Microsoftによると、早ければ2024年後半にもWindows 11 バージョン24H2およびWindows Server 2025で、この更新プログラムが自動的に適用される見込みだという。
Windows 11の品質更新プログラムは、新しいWindows OSがRTM(Release to manufacturing:製造工程向けのリリース)段階になった時点から累積的に構築されている。累積更新プログラムには、RTM以降の全ての変更が含まれている。
Windows 11 バージョン24H2で新たに導入されるチェックポイント累積更新プログラムは、定期的な更新を「チェックポイント」として管理するものだ。新たに導入される更新管理システムにより、すでにインストールされているチェックポイントと比較して、まだインストールされていない(不足している)コンテンツだけをダウンロードし、更新できるようになる。「これにより、時間、帯域幅、ハードドライブの容量を節約可能になる」と、Microsoftは述べている。
Microsoftによると、「Windows Update」「Windows Update for Business」「Windows Autopatch」「Windows Server Update Services」(WSUS)を使用して更新プログラムを管理している場合、ユーザー側で変更や操作は不要だ。これらを利用しているユーザーには移行後も通常の月次更新プログラムとして表示されるという。
つまり、更新プログラムの承認と展開には、現在使用しているツールとプロセスを引き続き使用できる。
Microsoftは、チェックポイント累積更新プログラムの利点を次のように説明している。
Windows 11 バージョン 21H2の累積更新プログラムでは、デバイスに不足している更新部分だけをダウンロードすることで、ダウンロードのサイズを縮小させていた。この方法では、RTM版のバイナリに対するバイナリ差分を作成していた。
新たなチェックポイント累積更新プログラムでは、RTM版ではなく、最後に適用されたチェックポイントに対してバイナリ差分を作成するため、さらにサイズを縮小させることができる。
これまでの更新プログラムは、単一のファイルにパッケージ化され、時間とともにファイルサイズが拡大し続けていた。このファイルは再配布を目的としてさまざまな場所にダウンロードまたはキャッシュされてきた。
新たな更新プログラムに移行することで、RTM以降に蓄積された全てのコンテンツをダウンロードしたり、再配布したりする必要がなくなる。
「有効化パッケージ」形式で機能更新プログラムが提供される場合、アップデート前のバージョンとOSのコア部分が共通になる。これは月次更新プログラムも共通であることを意味する。その結果、機能更新プログラムのサイズもますます大きくなっていた。
チェックポイント累積更新プログラムの導入により、機能更新プログラムもより速く、より簡単に、より効率的に導入できるようになる。
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