コード補完がさらに便利に、どう強化された? JetBrains IDEの2024.2 バージョン公開リモート開発、AI Assistant機能など更新

JetBrainsは、同社が提供する各種IDE、AI Assistant機能などの2024.2バージョンをリリースした。本記事ではこのバージョンの更新内容を紹介する。

» 2024年09月14日 08時00分 公開
[@IT]

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 JetBrainsは、2024年8月15日(チェコ時間)、同社が提供する各種IDE、AI Assistant機能などの2024.2バージョンをリリースした。このリリースにより、新しいUIが全てのユーザーのデフォルトになった。クラシックUI(ユーザーインタフェース)は、引き続きプラグインとして利用できる。

 2024.2バージョンでは行全体コード補完(FLCC)が下記のように強化された。

  • コードのハイライト表示の改善
  • 長い補完候補の中から個別の単語や行を選択可能に
  • 新しいショートカットキーが追加され、補完候補の選択がより簡単になった
  • 補完時のフォーマットの問題を解消

 2024.2バージョンで導入されたUX(ユーザーエクスペリエンス)の変更点は下記の通り。

  • [どこでも検索]ダイアログのコードベース要素の新しいプレビューオプションが追加された
  • システムプロキシ設定の自動検出がデフォルトで有効になった
  • メインツールバーのカスタマイズダイアログが新しいレイアウトになった
  • Linuxユーザーの場合、ウィンドウコントロール設定はデスクトップ構成に自動的に準拠し、ウィンドウコントロールボタンが再設計された

 その他の主な変更点は下記の通り。

行の固定表示(スティッキーライン)機能

 スティッキーライン機能が言語を認識するようになった。これにより、ファイルの言語に合わせて行の固定表示が自動的に適切に機能するようになった。

文字列変数ビジュアライザー

 変数の横にある[表示]リンクをクリックするだけで、JSON、XML、HTML、JWT、URLなどのデータ形式の文字列変数ビジュアライザーを有効化できるようになった。これにより、複雑なデータ形式のデバッグや参照が簡単になる。

Version Control System(VCS)

 ディレクトリへアクセスした際、ローカルヒストリーダイアログのUIに差分のビューが表示されるようになった。また、ローカルヒストリーアクションを、複数のファイルやディレクトリに対して同時に使用できるようになった。

ログツールウィンドウ

 ログツールウィンドウに関連する全ての設定が専用の設定ページに統合され、[設定/環境設定]−[バージョン管理]−[ログ]からアクセスできるようになった。さらに、Gitログをエディタのタブとして開くことができ、ログタブの分岐行が新しいレイアウトと色で改良され、識別と追跡が容易になった。

IDEのリモート開発

 ローカルのIDEで反映された設定変更は、JetBrainsクライアントを介してリモートIDEと自動的に同期されるようになり、開発環境の一貫性が確保できるようになった。また、リモート開発用のリバースポート転送も追加された。同社が提供する共同プログラミングサービス「Code With Me」での画面共有は、共有する特定のウィンドウを選択するオプションを備えたブラウザにリダイレクトされるようになった。

IDEのWeb開発機能

 Web開発機能を備えたIDEでは、追加の設定なしでTypeScriptファイルを実行およびデバッグできるようになった。また、「Next.js」「Nuxt.js」「SvelteKit」「Astro」などの主要なWebフレームワークのサポートも改善された。今回の更新で中国語、韓国語、日本語のサポートがIDEにバンドルされる。言語設定は、[設定/環境設定]−[外観と動作]−[システム設定]−[言語と地域]で変更できます。

JetBrains AI Assistant

 クラウド上での自動コード補完機能が導入された。JetBrains独自の大規模言語モデル(LLM)が使われ、「Java」「Kotlin」「Python」のコード補完が大きく改善された。

 また、「GPT-4o」を基盤としたAI(人工知能)チャットも強化されており、コンテキストを理解しながらの会話が可能になった。さらに、AI支援によるVCS競合の解決、ターミナル内でのコマンド生成、ドキュメントやユニットテストのためのカスタマイズ可能なプロンプトなどの新機能が追加された。これらの機能を活用するには、JetBrains AI Proサブスクリプションが必要だ。

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