自動運転やエッジAIで活用されている「エッジコンピューティング」の仕組みや課題をおおまかに把握しようビジネスパーソンのためのIT用語基礎解説

IT用語の基礎の基礎を、初学者や非エンジニアにも分かりやすく解説する本連載、第25回は「エッジコンピューティング」です。ITエンジニアの学習、エンジニアと協業する業務部門の仲間や経営層への解説にご活用ください。

» 2024年11月14日 05時00分 公開

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1 エッジコンピューティングとは

 エッジコンピューティングは、データが生成される場所(エッジ)に近いところでデータを処理する技術のことです。エッジコンピューティングでは、IoTデバイスなどデータが発生する現場でデータを処理します。これにより、クラウド上のサーバなどとの通信遅延(レイテンシ)を減らせ、リアルタイムでの応答が必要な場面で強みを発揮します。

図1 クラウドコンピューティングとエッジコンピューティングの比較

 クラウドとエッジの組み合わせにより、システム全体の柔軟性を高められることから、次世代の技術インフラとして注目されています。

2 エッジコンピューティングの仕組み

 エッジコンピューティングの仕組みは、データを分散して処理することに基づいています。

 通常、データはセンサーなどのIoTデバイスやスマートフォン、コンピュータからクラウドやオンプレミス(※1)の情報システムに送られて処理されますが、エッジコンピューティングでは、デバイス自体や近くに配置されたエッジサーバで処理します。具体的には、デバイスが収集したデータに対し、リアルタイムでフィルタリング(※2)や分析などを行います。その後、重要なデータのみを情報システムに送信するため、ネットワークの帯域幅の使用を最小限に抑え、情報システムへの通信負荷の軽減を実現します。

※1 オンプレミス:企業が自ら所有する建物や敷地内にあるサーバやネットワーク機器を使ってシステムを運用する方式のこと。クラウドが登場する以前は多くの企業がオンプレミスでシステムを運用していた
※2 フィルタリング:特定のデータを選別、除外する処理のこと

3 エッジコンピューティングのメリット

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