NECはAIを活用したコードレビューサービス「Metabob」の正式導入と運用開始を発表した。社内のAI専門チームにおける実証ではコード保守・修正工数を最大66%削減したという。
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NECは2026年2月25日、AI(人工知能)を活用したソフトウェア開発向けコードレビューサービス「Metabob」を同年1月より正式導入し、運用を開始したと発表した。
NECは現在、自社を「ゼロ番目の顧客」と位置付け、最新技術を社内実践してから顧客へ展開する「クライアントゼロ」戦略を推進している。既に営業領域などでは社内開発のAIエージェントを導入済みだが、こうしたシステムの開発においては、迅速なサイクルと高い品質の確保が求められる。
しかし、従来の開発プロセスではコードレビューや保守作業の大部分が人手に依存しており、既存の静的解析ツールも構文レベルのチェックにとどまっていた。そのため複雑な不具合の検出・特定および修正確認に時間がかかり、品質維持のために開発期間が長期化する課題を抱えていた。この課題を解消すべく、NECは社内のAI専門チームでMetabobの技術検証を実施した。
Metabobは、NECの新事業創出プログラム「NEC X」から生まれた同名のスタートアップが提供している。コードの依存関係や実行フローをグラフ構造として解析するアプローチを採用し、複数のファイルにまたがる複雑なバグや、実行時に顕在化するランタイムエラーの予兆を事前検出する仕組みを持つ。
数百万件のコード修正データを学習した独自のAIモデルを活用し、バグの検出から原因の説明、修正案の提示まで自動化しているという。
NECによる検証の結果、Metabobの適用によりソフトウェア保守および不具合修正の工数の明確な削減が確認された。人手による目視レビューや手動修正と比較して工数を66%削減し、コーディング向けAIツールを活用した手法と比較しても50%の削減に至った。この結果を受け、NECはMetabobの正式導入を決定した。
NECは「NEC Xが支援するスタートアップの技術が、NEC本体の大規模開発環境で実務に寄与した事例だ」とした上で、「NECとNEC Xは今後、実運用環境での効果を継続的に検証し、他部門への適用や外部顧客に向けた導入支援も視野に検討を進める方針だ」と述べている。
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