IDCは、メモリ不足とサプライチェーンの混乱を背景に、2026年の世界PC出荷台数の見通しを従来予測の2.4%減から11.3%減へと大幅に下方修正した。
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調査会社IDCは2026年3月12日(米国時間)、「Worldwide Quarterly Personal Computing Device Tracker」の最新データを発表した。2026年の世界PC出荷台数の見通しを従来予測の2.4%減から11.3%減へと大幅に下方修正した。
IDCによると、2026年の世界PC出荷台数は前年比で11.3%減となる見込みだ。これは2025年11月時点の予測である2.4%減からの大幅な下方修正となる。タブレットも同様に7.6%減と、いずれも台数ベースでは縮小が予測されている。
一方で、販売台数の減少とは対照的に、市場規模(金額ベース)は拡大が見込まれる。PC市場は前年比1.6%増の2740億ドル、タブレット市場は同3.9%増の668億ドルとなる見通しだ。これは平均販売価格(ASP)の上昇が台数減少を補う形になるためとされている。
PC出荷台数の下方修正は、メモリ不足や部品価格の上昇、広範なサプライチェーンの制約といった供給面の問題が重なったことに起因している。これらの制約は生産能力を著しく制限しており、2027年まで継続することが予想されている。IDCは、本予測時点では、中東情勢が現在の水準まで悪化していなかった点にも言及している。
IDCのライアン・リース氏は、テクノロジー業界をはじめ多くの産業が、地政学的リスクを含む複合的な要因により、極めて予測困難な状況にあることを指摘する。
「増え続ける業界内の地政学的な事象は、企業の意思決定を、一部の分野においては生き残ることすらほぼ不可能にしている。これら全ての圧力がいつ収まるのか全く先を見通せないことが、この問題を数億円規模から数十兆円規模の深刻な問題へと変えてしまった」(リース氏)
IDCのジテシュ・ウブラニ氏は、部材コストの上昇に伴うASPの上昇により、PCやタブレット市場の構造が変化したと指摘する。「バーゲン価格のPC/タブレットの時代は終わりを迎えた。メモリ不足は2027年まで続く見通しで、2028年以降に若干の緩和を見込んでいるものの、市場が2025年の価格水準に戻ることはないだろう。今後は構造的に高いASPがニューノーマル(新たな常態)となり、長期的には需要の抑制につながる」と分析している。
IDCは今後の見通しとして、メーカーがサプライチェーンの耐性強化や部品調達の多様化を進めると予測。コスト抑制のためにスペックを落とした製品の提供も検討される可能性があるとした。テクノロジーやハードウェアを含む多くの産業にとって、重大な課題が顕在化する懸念もあるとしている。
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