AWS、開発者向け生成AI「Amazon Q Developer」のサポート終了を告知 各種IDEでの利用は非推奨に移行先、移行スケジュールは?

AWSは、AI開発支援ツール「Amazon Q Developer」のIDEプラグインと有償サブスクリプションのサポートを終了すると発表した。Amazon Q DeveloperのIDE向け開発機能は、仕様駆動開発のために新たに構築された「Kiro」へ集約され、ユーザーには移行期間が設けられる。

» 2026年07月03日 13時00分 公開
[@IT]

この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。

 Amazon Web Services(AWS)は2026年4月30日(米国時間)、AI開発支援ツール「Amazon Q Developer」のIDE(統合開発環境)プラグインと有償サブスクリプションのサポートを終了すると発表した。

 AWSはAmazon Q Developerについて、AIによる支援を開発者の作業の流れに直接組み込むことを目標に立ち上げたと説明している。ユーザーは「Visual Studio Code」(VS Code)、「JetBrains」「Eclipse」「Visual Studio」にわたってAmazon Q Developerを導入し、コード生成やデバッグ、チャットベースのガイダンスに活用してきた。AWSは「Amazon Q DeveloperによってAIが日々の開発サイクルに欠かせない存在であることが証明された」としている。

 一方でAWSは、この1年で「最もインパクトのあるAI開発者体験はコード生成や補完にとどまらない」ことを学んだという。開発者には、アーキテクチャや要件、テスト、そしてコードの背後にある意図といったプロジェクト全体を理解するAIが必要であり、専用に設計された環境が必要となる。AWSはこれを理由に、新たな開発環境「Kiro」を構築した。Amazon Q DeveloperのIDE向け機能は、Kiroに集約される。

各種IDEでの利用は非推奨に 仕様駆動開発を実現する「Kiro」に集約

 Amazon Q Developerの移行先となるKiroは、仕様駆動開発(spec-driven development)のためにゼロから構築されたエージェント型の開発環境(IDE、CLI)だ。構造化された仕様を基に、計画から実装、検証までをコードベース全体にわたって開発を進められる。

 Kiroの主要機能は次の通り。

  • Specs:構築したいものを構造化された自然言語の要件として定義する機能。Kiroはその要件を基に、実装を最初から最後まで進める
  • Hooks:ファイル保存やコミットなどのイベント発生時に自動で実行されるトリガー。手動での操作なしに、標準の適用やテストの実行、ドキュメントの更新を処理する
  • Steering files:プロジェクト単位の設定ファイル。アーキテクチャや規約、制約についての永続的なコンテキストをKiroに提供する
  • Custom subagents:セキュリティレビューやAPI契約の検証、インフラのプロビジョニングなど、ドメイン固有のタスクのために自分で定義できる専用のAIエージェント
  • Powers:Kiroのエージェント的な振る舞いを、自分の開発プロセスに合わせて拡張できる組み合わせ可能な機能モジュール

 Kiroには、Amazon Q Developerで開発者が活用している機能である、エージェント型コーディング、インラインチャット、ターミナル統合、MCP(Model Context Protocol)サポートが含まれる。

サポート終了の時期と移行スケジュール

 サポート終了に伴い、ユーザーには段階的な変更とKiroへの移行期間が示されている。Amazon Q DeveloperのIDEプラグインと有償サブスクリプションは、2027年4月30日にサポートを終了する。AWSはユーザーに、Kiroへの移行期間として12カ月を用意している。

 まず、2026年5月15日より、新規サインアップの受け付けが停止された。これにより、IDEプラグインからBuilder IDを用いたAmazon Q Developer無料利用枠アカウントの新規作成や、AWSコンソールからのAmazon Q Developerサブスクリプションの新規作成はできなくなっている。ただし、既にアクティブなAmazon Q Developer Proサブスクリプションを契約している場合は、引き続き新しいユーザーを追加できる。2026年5月15日の締め切りは、新規のアカウントやサブスクリプションの作成にのみ適用され、既存サブスクリプションへのシート追加には適用されない。

 次に、2026年5月29日より利用可能なAIモデルが変更される。Amazon Q Developer Proでは「Opus 4.6」が利用不可となるが、「Opus 4.5」やその他の既存モデルは引き続き利用できる。なお、「Opus 4.7」を含む最新のコーディングモデルはKiroでのみ利用可能だ。

 既存のユーザーへの配慮として、Amazon Q Developer ProまたはKiroサブスクリプションを通じてAmazon Q Developerを利用している場合は、2027年4月30日のサポート終了日までは引き続きQ DeveloperのIDEプラグインにアクセスできる。

 Amazon Q Developerのプラグインは前述した4つのIDEマーケットプレース全てで引き続き公開されるが、画面上にはユーザーをKiroへ案内する「非推奨」の通知が表示される。なお、移行期間中は既存のユーザー向けに、重要なバグ修正の配信が継続される。

 Kiroは「https://kiro.dev/」からダウンロードできる。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

スポンサーからのお知らせPR

注目のテーマ

その「AIコーディング」は本当に必要か?
Microsoft & Windows最前線2026
4AI by @IT - AIを作り、動かし、守り、生かす
ローコード/ノーコード セントラル by @IT - ITエンジニアがビジネスの中心で活躍する組織へ
Cloud Native Central by @IT - スケーラブルな能力を組織に
システム開発ノウハウ 【発注ナビ】PR
あなたにおすすめの記事PR

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。