BacklogをCLIから操作 ヌーラボ開発者が「bee」をOSSで公開90超のサブコマンドを備え、AIエージェントからの操作にも対応

ヌーラボの開発者が、Backlogをターミナルから操作できるCLIツール「bee」を独自に開発し、オープンソースとして公開した。課題管理やWikiなど90超のサブコマンドを備え、AIエージェントからの操作にも対応するという。

» 2026年09月03日 13時00分 公開
[@IT]

 プロジェクト管理ツール「Backlog」などを手掛けるヌーラボの開発者は2026年8月25日、同社のブログで、Backlogの各種機能をターミナル環境から直接操作できるオープンソースのCLI(コマンドラインインタフェース)ツール「bee」を公開したと発表した。

 beeは、ブラウザを介さずにBacklogの課題閲覧、作成、更新などをコマンドラインで完結できるツールだ。課題管理の他、プロジェクト管理、Wiki、ドキュメント、Pull Request(PR)、通知など主要機能を網羅している。「MITライセンス」を採用し、ソースコードは「GitHub」で公開されている。

 AIコーディングエージェントの普及に伴い、エンジニアがターミナルで作業する時間が増加したことを受けて開発したという。人間の開発者による手動操作だけでなく、CI(継続的インテグレーション)環境やAIエージェントからのBacklog操作にも対応する。

90超のサブコマンドでBacklogの主要機能を網羅

 beeには、Backlogのリソースを操作するためのサブコマンドが90以上実装されている。パッケージマネジャー「npm」を通じて導入し、発行したAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)キーを登録して利用する。

 対応リソースは以下の通りだ。

  • 課題(Issue):一覧取得、ステータス別表示、詳細確認、新規作成、編集、コメント投稿
  • プロジェクト(Project):プロジェクト情報の取得、設定管理
  • Wiki:Wikiページの閲覧、作成、更新、履歴管理
  • ドキュメント(Document):共有ドキュメントの操作
  • プルリクエスト(Pull Request):PRの確認、マージ、コメント
  • 通知(Notification):未読通知の確認、既読化

 専用コマンドが未定義の操作についても、汎用(はんよう)コマンド「bee api」を実行すればBacklog APIのエンドポイントを直接呼び出せるという。

ターミナル作業の増加とシェル連携による自動化ニーズ

 bee開発の契機は、AIコーディングエージェント「Claude Code」などの普及によって、開発者がターミナル環境に滞在する時間が大幅に増えたことにある。

 従来のフローでは、「Git」のブランチ名やコミットログにBacklogの課題キーが含まれていても、要件や進捗(しんちょく)を確認する際はブラウザに切り替えて検索し直す必要があった。このコンテキストスイッチを排除し、ターミナルから直接Backlogの情報を取得・操作できる環境が求められていた。

 加えて、日常的な運用作業の自動化を容易にする狙いもある。スプリント終了時の課題の棚卸しや、リリースに伴う複数課題への一括コメント投稿といったタスクにおいて、Backlog APIを直接実行するようなスクリプトを作成する場合、認証処理やエンドポイントの調査に手間がかかる。

 CLIツールの場合、シェルスクリプトの「for」ループや「jq」コマンドパイプラインで組み合わせるだけで簡潔に自動化できる。対話的な手動コマンドと、CIやAIエージェントが実行する自動化スクリプトを単一ツールに統一できるのが特長だ。

日常的な課題操作と「--web」オプションによるブラウザ連携

 beeを用いた基本的な課題操作は、日常的に頻度の高い操作を短いコマンドで実行できるように体系化されている。

bee issue status                       # 自分の担当課題をステータス別に一覧
bee issue list -a @me -p PROJECT       # 自分が担当の課題を絞り込み
bee issue view PROJECT-123 --comments  # 課題の詳細とコメントを表示
bee issue comment PROJECT-123 -b “対応します”
Backlogの課題確認および更新する基本コマンドの例

 実行結果はターミナルに整形して出力される。長文の仕様や複雑なテーブルを含む課題を詳細に確認したい場合は「--web」オプションを付与することで、指定した課題やリソースの該当ページがブラウザで直接開く仕組みだ。

 簡易な確認や更新はターミナルでコマンド実行し、複雑な読み書きはブラウザで閲覧するといった柔軟な使い分けを想定しているという。

AIエージェントによるBacklog操作をどう実現しているのか

 beeは、AIエージェントにBacklogの操作を委託するユースケースでも活用できる。

 課題、Pull Request、Wikiといったプロジェクト管理の概念は開発現場で標準的に用いられている。大規模言語モデル(LLM)は「課題の内容を読み取り、対応するGitブランチを作成し、コードを修正してPRを提出し、マージ後に課題を完了にする」という一連のワークフローを学習しているため、細かなコマンド体系をAIに一から学習させる必要がない。

 Claude Codeのように「Agent Skills」に対応した環境では、bee向けのスキル定義「using-bee」を追加するだけでエージェントが自動的にbeeのコマンドを解釈・実行する。

npx skills add nulab/bee --skill using-bee
Agent Skills環境にbee操作スキルを追加するコマンド

 スキル導入後は、「PROJECT-123の内容を読んで不具合を修正して。修正完了後にコメントを追加し、ステータスを『処理中』に変更して」といった自然言語の指示を出すだけで、エージェントがbee経由で課題情報を取得し、コード編集とBacklogへの進捗反映を自律的に進める。

 Backlog関連のキーワードを含む指示でスキルが自動起動する他、コマンド先頭に「/using-bee」を明記して強制起動することも可能だ。具体的なサブコマンドを指定しない質問でも、エージェントが必要なサブコマンドを自ら組み立てて情報を抽出する。

 一方、Backlogにはプロジェクトごとに異なる数値IDで管理されるステータス、独自の課題キー形式(PROJECT-123など)、「Backlog記法」と「Markdown記法」の混在といった固有仕様がある。

 beeでは、スキル定義内のプロンプト、各コマンドの「--help」出力、ドキュメントサイトの「llms.txt」に詳細な仕様情報を集約している。AIエージェントはこれらのメタデータを参照してパラメーターを変換する。Backlog記法のプロジェクト向けには構文レファレンスを提供する「backlog-notation」スキルも用意されている。

 なお、ヌーラボはデスクトップアプリケーション「Claude Desktop」などのMCPクライアント向けに「Backlog MCP Server」も提供している。GUI(グラフィカルユーザーインタフェース)のチャット環境から操作する場合はMCP Server、ターミナルでシェルやファイルを直接操作するAIエージェントと組み合わせる場合はbeeが適しているという。

beeのインストール手順と認証設定

 beeは、JavaScriptランタイム「Node.js」のバージョン20.18以上に対応している。

npm install -g @nulab/bee
bee auth login
bee issue list -p PROJECT
beeのインストールから初回コマンド実行までの手順

 「bee auth login」を実行すると対話的に認証設定が行われる。認証用APIキーはBacklogの「個人設定」にある「API」項目から発行できる。個人利用のAPIキー認証の他、OAuth認証によるログインや、ワークフロー自動化ツール「GitHub Actions」などのCI環境向け設定方法もブログで解説されている。

 ヌーラボの開発チームはOSSとしてbeeの機能拡張や保守を継続する方針だ。

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