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5分で絶対に分かるサーバ仮想化5分で絶対に分かる(6/6 ページ)

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5分 - サーバ仮想化がITインフラの基盤になる日

 冒頭で、サーバ仮想化は企業規模の大小を問わず、企業に広く使われる技術になると述べました。その理由の1つは、サーバ仮想化が安価な障害対策を実現できることにあります。

 例えばすでに提供されているあるツールでは、ある物理サーバで稼働している仮想サーバが、物理サーバの障害によってダウンした場合、別の物理サーバ上でこの仮想サーバを自動的に再起動することで復旧できます。これまで、このような自動復旧機能を実現するには、高価な専用ハードウェアやアプリケーションに特化した解決手段しかありませんでした。中堅・中小企業でも、止まってしまっては困るシステムが存在します。一般的なサーバを利用して、サーバ・ハードウェアに障害が起こっても非常に短時間のうちに、どんなアプリケーションでも再起動できる仕組みを構築できるなら、これまでコストがかかるために障害対策を施せなかったようなシステムを保護するきっかけにもなります。

 また、物理サーバとその上で動作する仮想化ソフトウェア、さらにその上で動作する仮想サーバをグループとして管理し、ある物理サーバの負荷が高くなりすぎた場合には、自動的に一部の仮想サーバをほかの物理サーバへ再配置するツールもあります。こうしたツールがさらに進化すれば、企業のIT担当者は、日常の運用で物理サーバの存在をあまり意識する必要がなくなってきます。物理サーバはまずます純粋に、CPUやメモリなどのコンピュータ資源の供給源として認識されるようになり、これらコンピュータ資源をニーズに応じ、自由に切り取って使えるほか、その利用が自動的に常時最適化されるようになっていきます。

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 今後もサーバ仮想化ソフトウェアそのもののパフォーマンス、堅牢性、セキュリティは改善されていくでしょう。しかし、さらに注目されるのは、サーバ仮想化技術の周りで上記のようなさまざまなツールが整備されてくることで、多くの企業が現在抱えているITインフラ関連の問題が次々に解決されていくことです。

 この記事の前半では、1台の物理サーバを複数の仮想サーバに分けて使うというお話をしました。しかし、、今後は「複数台の物理サーバを1台の仮想サーバとして利用できるようになっていく」と表現することもできると思います。

 もちろん現状の関連技術では、1つの仮想サーバを一般の標準的なPCサーバ複数台にまたがって動かすことはできません。しかし、大局的なとらえ方をするならば、近い将来には複数の物理サーバを組み合わせてコンピュータ資源を論理的に集約し、資源利用を監視して自動的に調整することを通じ、柔軟で拡張性の高い、堅牢な統合的コンピューティング環境を構築できるようになると考えられます。

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