IoT/ビッグデータトレンドの進展に伴い、データ蓄積・活用基盤として注目を集めているオブジェクトストレージとはどのようなものなのでしょうか? 5分で解説します。
写真の容量が倍々の勢いで増えていくデジタルカメラ、ハイレゾなど年々高音質になっていく音声データ、8Kも実用化されつつある映像データ、かつてないほど大容量のデータが駆け巡っているインターネットなどなど、近年、データ量が爆発的に増加しています。これは皆さんも日々、肌で実感されているのではないでしょうか。
企業ITの世界も同じです。販売データ、在庫データなど、業務取引に関わるデータが毎日生成される上、昨今は大量のセンサーデータを収集・蓄積・分析するIoTも進んでいます。ある調査によると、2013年までに作成されたデジタルデータの総量は実に4.4ゼタバイト。2年ごとに倍以上に増え、2020年には44ゼタバイトに達するといわれています(※)。
※出展:Data set to grow 10-fold by 2020 as internet of things takes off(Computer Weekly)
増えたのは量だけではありません。10年前まではリレーショナルデータベースで管理できる構造化データが主流でした。しかし今や構造化データは20%にも満たず、テキスト、映像、音声のように構造定義を持たない非構造化データが主流になっています。そして何より重要なのは、単にデータの量と種類が増えたことではなく、こうしたデータを有効活用できるかどうかが、企業にとって勝敗を左右する大きなカギになっていることでしょう。
ご存じの通り、昨今はデジタルトランスフォーメーションと呼ばれるトレンドが進展し、「大量データから新たなビジネス価値を発見する」「潜在・顕在ニーズを読み解きスピーディにアクションを起こす」ことが差別化のカギになるといわれています。いかに大量の構造化データ/非構造化データを活用しやすい環境を築くかというテーマは、企業にとっても皆さんにとっても、喫緊の課題となっているのです。
こうした中、大量データの管理基盤として多くの企業の注目を集めているのがオブジェクトストレージです。では、オブジェクトストレージとはどのようなものなのでしょうか? 従来型のストレージでは、何が問題なのでしょう? 本稿では、大量データの管理基盤として注目を集めているオブジェクトストレージのメリットやユースケースについて、従来型ストレージと比較しながら、分かりやすく紹介していきます。
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