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Android 1.6のジェスチャーとテキスト読み上げを使うAndroidで動く携帯Javaアプリ作成入門(11)(3/3 ページ)

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ジェスチャーを作成する「Gesture Builder」アプリとは

 Android 1.6には「Gesture Builder」というアプリが付属しています。このアプリはジェスチャーを作成して、SDカードにGestureLibrary形式のファイルとして保存するものです。

図10 Gesture Builderの使用例
図10 Gesture Builderの使用例

 名前の横にサムネイルが表示されていますが、これはGesture#toBitmap()メソッドでBitmapを作れば実現できそうです。

 「Gestures on Android 1.6」では、Android公式のジェスチャーの使い方についての説明があります。また、このページからリンクされているサンプルは、上記Gesture Builderで作成したGestureLibrary形式のファイルをリソースファイルとして使用するアプリケーションです。ソースコードがあり、行数もとても短いので、参考にしてみてください。

TextToSpeechdで「しゃべるAndroid」

 Android 1.6から「TextToSpeech」という、テキスト読み上げAPIが追加されました。現時点でサポートしているのは、英語やフランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語です。

 TextToSpeechは、使い方は簡単ですが、きちんと実装しようとすると、実は難しいです。まずは、簡単な側面から見ていきましょう。以下のリンクより、サンプルアプリをダウンロードしてください。

 画面は、以下のような感じです。

図11 TTS Exampleの画面
図11 TTS Exampleの画面

 ソースコードはとても短いので、すべて掲載します。

package com.example.android.tts;
 
import android.app.Activity;
import android.os.Bundle;
import android.speech.tts.TextToSpeech;
import android.speech.tts.TextToSpeech.OnInitListener;
import android.view.View;
import android.view.View.OnClickListener;
import android.widget.Button;
import android.widget.TextView;
 
public final class Main extends Activity implements OnInitListener, OnClickListener {
    
    private TextToSpeech tts;
    
    @Override
    protected void onCreate(final Bundle savedInstanceState) {
        super.onCreate(savedInstanceState);
        setContentView(R.layout.main);
        
        tts = new TextToSpeech(getApplicationContext(), this);
        
        Button Button01 = (Button)findViewById(R.id.Button01);
        Button01.setOnClickListener(this);
    }
    
    @Override
    protected void onDestroy() {
        super.onDestroy();
        tts.shutdown();
    }
    
    @Override
    public void onInit(int status) {
        if (status == TextToSpeech.SUCCESS) {
            tts.speak("I'm ready!", TextToSpeech.QUEUE_FLUSH, null);
        } else {
            System.out.println("Oops!");
        }
    }
    
    @Override
    public void onClick(final View v) {
        TextView TextView01 = (TextView)findViewById(R.id.EditText01);
        tts.speak(TextView01.getText().toString(), TextToSpeech.QUEUE_FLUSH, null);
    }
    
}

 以下に、このサンプルの注意すべき個所をピックアップします。

  • OnInitListener#onInit(int)
    このメソッドは、TextToSpeechエンジンの準備ができたことを知らせるコールバック。引数にエンジンの初期化が成功したかどうかが渡される
  • TextToSpeech#speak(String, int, HashMap<String, String>)
    エンジンにテキストを読み上げさせる
  • TextToSpeech#shutdown()
    エンジンのリソースを解放。onDestroy()で呼び出すことが推奨されている

 これだけ知っていれば、簡単にAndroidにしゃべらせることが可能です。

 では、次に難しい側面を見てみましょう。

非同期で動作する

 TextToSpeechの一番厄介なのは、エンジンが非同期で動作することでしょう。もちろん、しゃべらせている間呼び出しがブロックするのは困るので、非同期で動作してくれないと困るのですが、非同期で動作することで考慮しなければならないのは、以下のような点です。

  • 初回のエンジンの初期化
  • アプリがバックグラウンドに回った場合

 作りが簡単なため、今回のサンプルでは、これらを考慮してありませんが、本来はきちんと対応しなければならないところです。

国際化

 現時点で5カ国語をサポートしていますが、今後はさらに増えていくことが予想されます。TextToSpeechを使用したアプリで、かつ国際化対応する場合、適切に言語を設定する必要があります。ただし、こちらはそれほど難しくありません。

TextToSpeechの、そのほかの機能

 TextToSpeechには、今回紹介した以外にも、以下のような機能があります。

  • 通知音を鳴らす
  • ミリ秒単位でサイレントする
  • スピーチのピッチの変更
  • スピーチのレートの変更

 これらの機能を使用すれば、より豊かなスピーチをAndroidにさせることができるようになるでしょう。

ジェスチャーとテキスト読み上げで面白アプリを

 Android 1.6で追加された2つのAPIをざっと紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

 今後は、ジェスチャーやテキスト読み上げを使用したアプリがマーケットにも登録されていくと思います。特に、ジェスチャーは使い方次第でアプリがとても便利に、面白くなる仕組みだと思います。

 次回は、リリースされたばかりのAndroid 2.0の新機能を紹介します。


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