本連載で、SDKとEclipseを使ってAndroidの携帯端末で動くJavaアプリを作成し、Android Market配布を目指しましょう
Javaプログラマは、大きく分けると2種類に分類されます。エンタープライズ・サーバサイド系Javaプログラマと、組み込み系Javaプログラマです。
筆者は組み込み系ですが、Javaを始めたきっかけはサーバサイド系(正確には、Javaアプレット)です。サーバサイド系ではデータベースは必須、というよりむしろ最重要のシステムですが、組み込み系ではデータベースを使用することはほとんどありませんでした。ただし、「これまでは」です。
今回はAndroidに標準で組み込まれている「SQLite」というデータベースを、Androidが用意しているAPIを使用して、アプリケーションから利用する方法を紹介します。
SQLiteは、Adobe AIRやGears、Google Chrome、Firefox 3など、Webブラウザアプリケーションなどのオフライン機能/ローカルデータ操作機能で使われることが増えてきている軽量データベースです。詳細は下記記事が参考になると思います。
Androidでデータベースが使用できると、いったい何がうれしいのか? まずは、ポイントを押さえていきましょう。このポイントを押さえておけば、どんなアプリケーションでデータベースを使うべきか迷うことがなくなるでしょう。
1.は「単語帳」「メッセンジャー」などが該当します。単語帳なら、日本語、英語、カテゴリなどのフィールドがあればよさそうです。メッセンジャーなら、送信したメッセージ、受信したメッセージ、発言者、日時などのフィールドがあればよいでしょう。
2.も、やはり「単語帳」「メッセンジャー」などが該当します。ユーザーの入力だけではなく、例えば通信ログを一定量ためておく、などという使い方にも有効です。
3.は「辞書」「データベースアプリ」などが該当します。1.や2.の用途であれば、実はデータベースを使用しなくても比較的簡単に実現できますが、大量データから任意のデータを抽出するのは、データが複雑であればあるほど、条件が複雑であればあるほどデータベースを使用しなければ実現困難です。逆に、データベースを使用すると、驚くほど簡単に実現可能です。
今回のサンプルアプリケーションは「データベースアプリ」です。ソースコードは1つしかなく、とてもシンプルに実装してあるので、参考にしやすいと思います。以下のリンクよりダウンロードしておいてください。
なお、今回からAndroid SDK 1.5 r1(Release 1)でアプリを作成しています。
2009年4月27日に、Android SDK 1.5 r1がリリースされました。同時に、Eclipseプラグイン ADT(Android Development Tools)も0.8から0.9にバージョンアップしました。
筆者が何も考えずにプラグインをアップデートしたところ、Layout Editorが「Eclipse is loading framework information and the Layout library from the SDK folder.」というエラーを出して使用できなくなりました。
このエラーは、0.8のプラグインの一部をアンインストールしていないために発生するものです。0.8の「Android Editors」という機能をアンインストールすれば、Layout Editorが正常に使用できるようになります。詳しくは「Android Developers」のサイトを参照してください。
次ページからは、データベース操作のサンプリアプリケーションを紹介し、どのように動作しているかを解説していきます。
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