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LEGOのロボットから全方位ビデオカメラまで CESで見付けたオモシロガジェットUXClip(17)

InternationalCESには大手メーカーだけでなく世界中から集まった中堅メーカーが個性的な製品をアピールしていたという。自らも自社オリジナルガジェットを展示していたUEI清水氏による現地レポート

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 CEA(全米家電協会:Consumer Electronics Association)が主催した2013 International CES(以下、2013 CES)が、米国ラスベガスで1月8日から11日までに開催された。150カ国から3000を超える企業が参加し、盛り上がった会場の様子を、ユビキタスエンターテインメントの清水氏がレポートする。清水氏は自社オリジナルのタブレットハードウエア「enchantMOON」の展示で会場を訪れていた。

LEGO MINDSTORMSの最新版、EV3は単体でプログラミングが可能

 LEGOでロボットを作り、自作プログラムでコントロールできるLEGO MINDSTORMSの最新版、EV3がデモされていた。

 LEGO MINDSTORMSは、ブロックを組み合わせた独特のビジュアルプログラミング言語で初心者でも手軽にプログラミングを楽しみながら学習できるのが特徴。

 EV3ではLinuxベースのシステムに書き直され、SDカードにプログラムの保存などが可能。容量が飛躍的に増大した。

 また、iOSやAndroidといったスマートフォンからリモート操作することが可能で、ラジコンのようなロボットも簡単に作ることができる。また、赤外線リモコンも同梱されており、これを使って、単にリモコンとして使うだけでなく、「アリクイ」と「アリ」という2つのロボットを作り、アリロボットを追いかけるアリクイロボットというものを作ることも可能になっているのは興味深かった。

 最新版のEV3ではプログラミング環境が強化され、さらに分かりやすく使いやすくなっていた。


センサからの入力をモータの速度に設定する無限ループを実現するプログラム。ドラッグ&ドロップだけで直感的にプログラミングが可能

 開発したプログラムはUSBでPCとMINDSTORMSのCPUユニットを接続して転送することができる。

 さらに今回発表されたEV3では、なんとCPUユニット単体でプログラミングが可能になっている。


EV3のCPUユニット。画面上にPC版と同じビジュアルプログラミング言語が表示されている。この場で開発したり編集したりすることが可能

 展示ブースの説明員によると、単体でプログラミング可能にした理由は、最初のステップとしてレゴでロボット作りを楽しみ、次に単体プログラミングで簡単なプログラミングを覚えた後、PCでより本格的なプログラミングを学ぶ、というステップ・バイ・ステップの使い方を想定したものらしい。デスクトップコンピュータを占有できない若年層でも手軽にプログラミングを学べるように配慮したとのこと。

 2013年後半に登場予定で349.99ドルの予定だ。

40万円台で買えるマルチカラー3Dプリンタ CubeX

 Cubify 3D Systems社はなんとトリプルカラーで4784ドル(約43万円)という低価格で買えるマルチカラー対応の3DプリンタCubeXを展示していた。

 無骨な外観の低価格3Dプリンタが多い中、洗練されたボディデザインのCubeXはいかにも普及品といった感じで好感が持てる。

 また、マルチカラーに対応していることで並みいる低価格3Dプリンタの中でも頭1つ飛び抜けた感じだ。


CubeXの外観。かなり大きいがきちんとケーシングされるなどしっかりした作りになっている

 CubeXは最大275mm×265mm×240mmのバスケットボール大のものがプリント可能で、同時に3つの色まで組み合わせて印刷が可能なトリプルヘッドを搭載している。

 低価格プリンタの中でもマルチカラーをサポートしているものは珍しく、会場の注目を集めていた。


CubeXで作られたエレキギター。一回では無理なので複数回で印刷したパーツを組み合わせてギターのボディを作っている

マルチカラー印刷の例。Z方向の解像度が0.125mmと、かなりの高精細を誇っている

 すでにオンライン上でオーダーが可能で、公式サイトからいつでも注文できる。

 価格は単色のCubeXが3588ドル(約31万円)、2色印刷可能なCubeX Duoが4066ドル(約36万円)、三色印刷可能なCubeX Trioが4784ドル(約43万円)となる。

 マルチカラーの3Dプリンタはつい1年前まで数百万円していが、ここまで値段が下がると、自宅に一台ほしいという人も増えてきそうだ。

これはすごい!? 360度動画を撮影可能な3方向スポーツカメラ

 GoProが先鞭を付けたスポーツカメラ市場にとんでもないカメラがやってきた。

 ひたすら高画質、高品質路線へ突き進むGoProに対して、ジオノート社のGeonaute360は、視野角120度のカメラを3台組み合わせて、全方位の情報を動画撮影する。


Geonaute360。3台のカメラを組み合わせてあって本体はやや大きめ

ヘルメットに装着したところ。大きさが目立つが、それをカバーするだけの迫力ある映像が撮影できる。

 スポーツカメラを使って実際にスノーボードなどに行こうとすると、うまいカメラアングルがなかなか見つからなくて悩むことがあるが、このGeonaute360なら常に全方位を撮影しているのでカメラアングルに関しては悩む必要がなくなる。

 再生時にはスマートデバイスに内蔵されたジャイロを使って360度好きな方向の映像を再生できる。例えば、動画再生中に自分の観たい方向にiPadを向ければ、その方向の動画が再生される。

 


好きな方向の映像を再生できる。

 スマートデバイスに内蔵されているジャイロを活用することによって、360度好きな方向の動画を再生することが可能。

 海外を旅行していると、雄大な自然や、豪華絢爛な美術館など、広過ぎて逆に広さが伝えられないような場面に出くわすことも少なくない。Gaonaute360があれば、いきなり360度、その空間そのものを丸ごとキャプチャし、好きなタイミングで再生できるというわけだ。

 しかも、再生するときのスマートデバイスを向ける方向によって、毎回違った場面を再生することになる。

 これは写真や動画撮影と再生といったものの在り方すべてを変えてしまう可能性があり、非常にわくわくする製品だ。

 スマートデバイスをあちこち向けると、まるで本当にその場にいるかのような不思議な臨場感を味わえる。

 年内の発売を目指しているとのことで非常に楽しみな商品だ。

 価格は未定とのこと。

著者プロフィール

清水 亮(ユビキタスエンターテインメント 代表取締役社長)

新潟県長岡市生まれ。大学在学中に米マイクロソフト社の家庭用ゲーム機戦略に関わった後、5年間のサラリーマン生活を経て独立。現在ユビキタスエンターテインメント代表取締役社長兼CEO。秋葉原リサーチセンター(ARC)を設立し、大学生を中心としたオープンソースゲームエンジン、enchant.jsプロジェクトを立ち上げる。


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