宮崎編:満員電車がストレスだった――環境に人間を合わせるのではなく、住みたい環境を選ぶためにUターンした“陸海空”エンジニア:ITエンジニア U&Iターンの理想と現実(61)(4/4 ページ)
なぜ、個人が環境に適応しなければいけないのか――満員電車に乗るたびに「ストレスなく住みたい環境を選びたい」と考えがシフトしていった。「ITエンジニア U&Iターンの理想と現実:宮崎編」、今回は東京から宮崎へUターンしたエンジニア(趣味はダイビング)のお話です。
エンジニアコミュニティーはあるの?
宮崎のエンジニア人口は、都市圏よりまだまだ少ないと思います。
それを逆手に取って、人口が少ないなりに個性豊かな人たちが集まっていくエンジニアコミュニティーを形成していく楽しみが、宮崎にはあります。
私はバックエンドエンジニアとしてこれまで過ごしてきましたが、プログラミング言語が好きだったり、DDDなどのプログラミングの設計を支える考え方にも興味があったりするので、それらの話をする場を設けたり、地方の拠点間をつないで行う勉強会に参加したりしています。
「asakusa.rb」のような明確なコミュニティーの形式はないのですが、それぞれが抱える案件の技術的な相談をするなど、多種多様なつながりを持って活動しています。
この形式は言語やフレームワークの垣根を超えるので、今後のエンジニアの世界観と合致しているのではないかと感じることもあります。
「都会じゃないと仕事がないから」と無理をしない
宮崎にUターンして、社外のエンジニアコミュニティーや地域とのつながりを経験した今、私は「東京を離れてみて良かった」と思います。
宮崎県出身で、県外で働いている人に話を聞くと、「宮崎には就職先がないから」というフレーズがよく出ます。
私は、帰ってきた当初は、「地元宮崎にアラタナという企業があってラッキーだった」と思っていた部分もあったのですが、社外のエンジニアコミュニティーや地域とのつながりを通じて生活してみて、自分なりの過ごしやすさのために東京を離れてみて良かったと思うのです。
宮崎に帰ってきて感じたことは、何もかもがそろっている環境ではないからこそ、仕事でも生活でも自分で能動的に動く必要があり、その分遊びや選択の自由があるということです。自分の信じる方向に踏み出す一歩があれば、周りの人たちもたくさん支援してくれますし、東京にも負けないくらい密度の濃い時間を過ごせると思います。
「今の自分の能力が生かせる環境」を小さい範囲で探すのではなく、「自分が過ごしたい環境」を選んで、時間を大切にするという選択もできるということを、皆さんにも知ってほしいです。
U&Iターンの理想と現実:宮崎編、最終回は「宮崎のエンジニアライフ」を紹介します。
桑畑英資(くわはたえいすけ)
宮崎出身の数学科卒35歳ソフトウェアエンジニア。
Webサービスのバックエンドはもちろん、メールサーバからSPAまで、もろもろ積極的に取り組んでいます。
趣味はカメラ、ダイビング、ドローンと陸海空全てをフィールドに活動中。
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