佐賀編:ストファイ、ポケモン、タイ映画――コラボで地方創生を加速する“誇り”の国:ITエンジニア U&Iターンの理想と現実(65)(1/2 ページ)
AIロボットがアスパラを摘み、オリジナルソフトが砂場の等高線や色をプロジェクションマッピングする――佐賀は今、絶賛変化中だ。
2020年1月、「シビレ」が「OFF TOKYO」(東京にこだわらない働き方)をテーマに語り合う「シビレバー」を開催した。37回目となる今回フォーカスするのは、佐賀県。佐賀県に拠点を持つ企業代表として、「inaho」代表取締役CEO 菱木豊氏と「アールテクニカ」代表取締役社長 古瀬学氏にお話を伺った。
AI自動野菜収穫ロボットがアスパラを摘む
inahoは、自動野菜収穫ロボットを中心に農業生産プラットフォームを提供するIoT企業だ。本社は神奈川県鎌倉市にあり、佐賀県には支店がある。inahoが開発するロボットは、AI画像解析で野菜の生育状況を判断し、出荷に合う長さで収穫する。当初は雑草を摘むロボット制作を検討していたが、佐賀の農家から「雑草より、アスパラを摘んでくれ」と提案されたのがきっかけだそうだ。
アスパラは生育が早いため、収穫に適した個体を、毎日適度な長さでカットする必要がある。現段階では人間の方がロボットより早く収穫できるが、人間はハウス内の高温と中腰姿勢に長時間耐えられず、作業時間に限界がある。一方、ロボットなら2時間の充電で最大6時間連続稼働できて、夜間でも黙々と収穫作業を続けられる。今後はキュウリ、トマト、イチゴにも対応する予定だ。
アールテクニカは主に音響技術、映像技術を扱うソフトウェアの企画開発をするIT企業。東京オフィスと佐賀スタジオがある。2018年、佐賀県立博物館で開催された「すごいぞ!ボクの土木展」では、有明海の干満の差を体感できる「潮位の壁」、天井のKinectで砂場の高低差をリアルタイムで認識して等高線や色をプロジェクションマッピングする「砂場マッピング」などを出展して好評を博した。
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