ゼロ円でできる仮想化
VMware Serverのインストールから管理まで

北浦訓行
2008/3/27

アクセス権の設定

 ホストOSにキーボードやマウスの制御を戻すには[Ctrl]+[Alt]キーを押してください。ただし、「VMware Tools」(コラム参照)をインストールすると、ホストOSとゲストOS間の制御の移行がマウスの移動だけで行えるようになって便利です。

 VMware Serverでは、仮想マシンへのアクセス権を設定することが可能です。仮想マシンを共有にすると、複数のクライアントマシンから1台の仮想マシンを同時にアクセスできるようになります。

 仮想マシンのアクセス権を設定するには、[VM]メニューの[Settings]を選択して[Virtual Machine Settings]ダイアログボックスを表示します。そして、[Options]タブの[Permissions]をクリックし、[Make this virtual machine private]チェックボックスによって、仮想マシンを共有にするか、非共有(プライベート)にするかを設定します(画面9)。

画面9
画面9 [Virtual Machine Settings]のアクセス権設定画面

 仮想マシンを共有化すると、キーボードやマウスの操作は競合しますし、仮想マシンの操作内容がアクセス中の全VMware Serverコンソールに表示されます。

 またVMware Serverでは、より詳細なアクセス権の設定も可能です。その場合は、仮想マシンの構成ファイル(.vmx)に対してアクセス権を設定します(表1)。

アクセス権 内容
Read権限 VMware Serverコンソールで仮想マシンに接続できるが、
画面は表示されない。仮想マシンのオン・オフ状態は
確認可能
Read、Execute権限 仮想マシンの電源のオン・オフを行ったり、取り外し可能
デバイスの接続や切断が可能
Read、Write権限 仮想マシンに対して仮想ハードウェアを追加・削除する
ことが可能
root権限または
Read、Write、Execute権限
仮想マシンの設定変更はもちろんのこと、VMware Server
自体も設定変更が可能
表1 VMware Serverのアクセス権

■コラム VMware Toolsのインストール

 無償の仮想化ソフトVMware Playerには、VMware Toolsのインストール機能がありませんが、VMware ServerはVMware Workstationと同等のVMware Toolsインストール機能をサポートしています。

 VMware Serverで仮想マシンにVMware Toolsをインストールするときは、[VM]メニューの[Install VMware Tools]を選択します。すると、自動的にVMware ToolsのCD-ROMイメージがマウントされますから、実行中の仮想マシンでインストール作業を行ってください。仮想マシンがWindwsの場合はインストールウィザードでほぼ自動的にインストールできますが、Linuxの場合はRPMパッケージまたはtarボールからインストールして、インストール用のスクリプトを実行しなければなりません。


仮想マシンの管理

 VMware Serverは、Webベースの管理ツール(VMware管理インターフェイス)によって、

  • 仮想マシンとVMware Serverの状態を監視
  • 仮想マシンの制御(パワーオン、パワーオフ、サスペンド、レジューム、リセット)
  • 仮想マシンの詳細情報を表示

などの管理を行うことができます。

 VMware管理インターフェイスを使用するには、Webブラウザを起動して、ホストOSの8333ポートにSSLでアクセスします。例えば、ホストOS上でWebブラウザを起動しているときは、アドレスバーに以下のように入力します。

https://localhost:8333/

 すると、ログイン画面が表示されます(画面10)。仮想マシンの仮想ハードウェアを変更するような管理を行うときは、rootでログインします。

画面10
画面10 VMware管理インターフェイスのログイン画面

 ログインすると、VMware Serverや各仮想マシンの稼働状態が表示されます(画面11)。

画面11
画面11 VMware管理インターフェイスのトップ画面

 仮想マシンの管理を行うときは、仮想マシンアイコンの右側にある[▼]ボタンをクリックして、メニューから[Properties]を選択します(画面12)。

画面12
画面12 仮想マシンの管理画面

 仮想マシンのオプション設定やハードウェア構成を変更する場合は、仮想マシンアイコンの右側にある[▼]ボタンをクリックして、メニューから[Configure Options]を選択します。すると、仮想マシンの[Options]画面が表示されます(画面13)。

画面13
画面13 仮想マシンのオプション設定画面

 オプションを変更する場合は、各カテゴリの右端にある[Edit]リンクをクリックします。また、画面下部の[click here]リンクをクリックすると、仮想ハードウェアの変更を行うこともできます(画面14)。

画面14
画面14 仮想マシンのハードウェア変更画面

 現在、VMware Server 2.0のベータテストが行われています。VMware Server 2.0では、対応するゲストOSが拡大し、USB 2.0デバイスのサポートも行われるなど、大幅な機能強化が予定されています。

 ベータテストの参加資格には特に制限はありませんから、興味のある方はベータテストのWebページ(http://www.vmware.com/beta/server/)にアクセスしてみてください。

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3/3

Index
ゼロ円でできる仮想化
  VMware Serverのインストールから管理まで
  Page 1
 サーバ集約だけじゃない、VMware Serverのメリット
 VMware Serverの入手とインストール
  Page 2
 管理インターフェイスのインストール
 コラム インストール済みのVMware Serverをバージョンアップするには
 仮想マシンの作成とゲストOSのインストール
Page 3
 アクセス権の設定
 コラム VMware Toolsのインストール
 仮想マシンの管理


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