プロダクト・レビュー

さまざまな新技術が注ぎ込まれたミッドレンジIAサーバ 「eserver xSeries 360」(5)

デジタルアドバンテージ 島田広道
2002/03/14

ミッドレンジIAサーバの新標準

 以上、eserver xSeries 360のハードウェアを紹介してみて感じたのは、本機が2002年度のミッドレンジIAサーバの指標といえるマシンに思えた、ということだ。

 まず挙げられるのは、プロセッサの代替による性能向上である。2wayから4way以上のIAサーバ向けプロセッサは、Intel XeonとIntel Xeon MPがそろったことにより、既存のPentium IIIPentium III Xeonから新しいIntel Xeonファミリに置き換えられていくことになる。また、メイン・メモリについても、SDRAMからDDR SDRAMへの移行により、最大転送レートの向上が見込まれる。これらにより、IAサーバの性能は一段アップすることになるだろう。

 また、可用性スケーラビリティといった点は、RISC/UNIXサーバなどに比べてIAサーバがまだまだ劣る部分でもある。それに対し本機では、リモートI/OやChipkillといった技術の採用により、こうしたIAサーバの弱点を克服しようとしている。そのほか、ラックマウント型サーバとして本機を見た場合、ラックという環境に合わせてメンテナンスを容易にする各種の工夫がなされており、従来の機種と比べて一段の差を感じる。IAサーバというと、汎用的な部品を採用した低価格が売り物であった。しかし、eserver xSeries 360のように新しい技術を投入し、より可用性やスケーラビリティを考慮したIAサーバが登場し始めたことは注目すべきトレンドといえるだろう。

 Intel Xeon MPの正式発表を受けて、日本IBM以外のサーバ・ベンダもIntel Xeon搭載ミッドレンジ・サーバを発表・出荷し始める。そのチップセットは主にServerWorks製のGrand Champion HE/LEだろう。またIntelも、デュアルプロセッサ対応のチップセット「Intel E7500」に加え、近い将来Intel Xeon MPの4way対応チップセットも出荷する計画がある。eserver xSeries 360とはチップセットが異なるこれらの新機種が、どのようなサーバ・マシンに仕上がってくるのか、ぜひとも確認したいところだ。eserver xSeries 360は、2002年度のミッドレンジ・クラスのマイルストーンともいえるサーバであり、各サーバ・ベンダがどのように対抗していくのか見ものである。今後とも、各社のサーバ・マシンをプロダクト・レビューで取り上げ、他社の動向などもチェックしていく予定だ。記事の終わり

項目 内容
メーカー名 日本アイ・ビー・エム株式会社
製品名 eserver xSeries 360 8686-2RX
価格 350万円(IBMダイレクト価格)
製品URL http://www-6.ibm.com/jp/servers/
eserver/xseries/x36023/x36023a.html
問い合わせ先 ダイヤルIBM:0120-04-1992、FAXサービス:044-200-8600
プロセッサ Intel Xeon MP-1.5GHz×2基(最大4基)
キャッシュ・メモリ 2次キャッシュ:256Kbytes、3次キャッシュ:512Kbytes(いずれもオンダイ)
チップセット IBM XA-32
メモリ PC1600 ECC DDR SDRAM Registered DIMM 2Gbytes(最大8Gbytes)
拡張スロット(空きスロット数) 64bit/133MHz PCI-X ×1(1)*3、64bit/100MHz PCI-X ×2(2)、64bit/66MHz PCI-X ×4(4)、リモート管理用カード専用×1(0)
ドライブ・ベイ(空きベイ数) ホットスワップ対応3.5インチHDD専用ベイ×3(1)、5.25インチ前面アクセス可能ベイ(薄型)×1(0)、3.5インチ前面アクセス可能ベイ(薄型)×1(0)
フロッピー・ドライブ 3.5インチ2モード
ハードディスク 10000RPM 36.4Gbytes SCSIハードディスク×2台(Ultra160 SCSIとホットスワップに対応)
CD/DVDドライブ ATAPI CD-ROMドライブ(24倍速)
SCSI Ultra160 SCSI対応×1チャネル(オンボード実装、内蔵HDD用、Adaptec AIC-7892Bコントローラ)
ネットワーク 10/100BASE-TX対応(オンボード実装、Intel 82559コントローラ)
グラフィックス S3 Savage 4(オンボード実装、PCI接続)
インターフェイス RXE拡張ポート×1、各種リモート管理用ポート、USBポート×3(フロント×1、リア×2)、ディスプレイ(アナログRGB)×1、PS/2キーボード×1、PS/2マウス×1
電源ユニット 370W×2台(最大3台まで)、冗長構成とホットスワップに対応
消費電力 標準:520W、最大:740W
外形寸法 442(W)×701(D)×133.4(H)mm
重量 最小:24.9kg、最大:31.8kg
サポートOS Windows 2000 Server(SP2)/Advanced Server(SP2)、Windows NT Server 4.0(SP6a)/Server Enterprise Edition 4.0(SP6a)、Novell NetWare 5.1J(SP3)、Red Hat Linux 7.1 日本語版(基本OS部分のみ)
付属品 電源ケーブル、電源スイッチ・カバー、ラック型対応レール、ラック導入用テンプレート、各種ペーパー・マニュアル、オンライン・マニュアル収録CD-ROM、セットアップ用CD-ROMなど
eserver xSeries 360 8686-2RXの主な仕様
*3 133MHzは100MHzと同じスロットを共有する。また、全スロットが従来のPCIにも対応(5Vのみ対応のPCIカードは不可)
 
  関連記事 
攻撃的なIntelのサーバ向けプロセッサ・ロードマップ
エンタープライズ重視のIntelを示したIDF Spring 2002
大量導入向け低価格1Uサーバ「コンパック ProLiant DL320」
スケーラビリティの高い1Uサーバ「PowerEdge 1550」
10万円未満の低価格IAサーバを斬る
第2回 拡大するラックマウント型サーバ市場
1Uラックマウント型IAサーバ
RAIDの基礎知識
ブレード・サーバに見る信頼性と冗長性の関係
 
  関連リンク 
eserver xSeries 360の製品情報ページ
 

 

 INDEX
  [プロダクト・レビュー ]
    さまざまな新技術が注ぎ込まれたミッドレンジIAサーバ「eserver xSeries 360」(1)
    さまざまな新技術が注ぎ込まれたミッドレンジIAサーバ「eserver xSeries 360」(2)
    さまざまな新技術が注ぎ込まれたミッドレンジIAサーバ「eserver xSeries 360」(3)
    さまざまな新技術が注ぎ込まれたミッドレンジIAサーバ「eserver xSeries 360」(4)
  さまざまな新技術が注ぎ込まれたミッドレンジIAサーバ「eserver xSeries 360」(5)
 
「PC Insiderのプロダクト・レビュー」
 


System Insider フォーラム 新着記事
  • Intelと互換プロセッサとの戦いの歴史を振り返る (2017/6/28)
     Intelのx86が誕生して約40年たつという。x86プロセッサは、互換プロセッサとの戦いでもあった。その歴史を簡単に振り返ってみよう
  • 第204回 人工知能がFPGAに恋する理由 (2017/5/25)
     最近、人工知能(AI)のアクセラレータとしてFPGAを活用する動きがある。なぜCPUやGPUに加えて、FPGAが人工知能に活用されるのだろうか。その理由は?
  • IoT実用化への号砲は鳴った (2017/4/27)
     スタートの号砲が鳴ったようだ。多くのベンダーからIoTを使った実証実験の発表が相次いでいる。あと半年もすれば、実用化へのゴールも見えてくるのだろうか?
  • スパコンの新しい潮流は人工知能にあり? (2017/3/29)
     スパコン関連の発表が続いている。多くが「人工知能」をターゲットにしているようだ。人工知能向けのスパコンとはどのようなものなのか、最近の発表から見ていこう
@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)
- PR -

注目のテーマ

System Insider 記事ランキング

本日 月間
ソリューションFLASH