情報発信の場として注目を集める「まとめ」サービス。旬なネタ、気になるトピックを手軽にまとめられるTogetterとNAVERまとめを比べる
インターネットの普及により、個人が自ら情報を発信する環境は急速に進化している。古くは個人ホームページによる情報発信からブログの普及、そしてTwitterやFacebookといったリアルタイム性の強いソーシャルメディアなど、次々に新しいサービスが登場する中、最近は「まとめ」サービスが情報発信の場として注目を集めている。この記事では、TogetterとNAVERまとめを比較してみる。
Togetter | NAVERまとめ | |
---|---|---|
タイムライン、Mention、 お気に入り、RTなど対応 |
ツイートURLを指定 | |
Twitter検索 | 対応 | 対応 |
Amazon | ○ | ○ |
Googleマップ | ○ | × |
画像 | URL指定 | URL指定またはアップロード(10MB) |
動画 | URL指定 | URL指定 |
引用 | × | ○ |
他のまとめ | ○ | リンクとして挿入 |
リンク | オリジナルテキストに記述 | ○ |
オリジナルテキスト | Bold、リンクなど装飾可能 | テキストのみ |
人気のまとめサービスの1つである「Togetter」(トゥギャッター)は、「Twitter」と「Together」を組み合わせた造語で、その名の通りTwitterに特化したまとめサービスだ。
Togetterの特徴は、Twitterに特化しているだけのことはあり、発言をまとめすい機能がそろえられている。まとめを作成する場合は左側に表示されたタイムライン一覧からドラッグ&ドロップで右側に移すだけ。左側のエリアは自分へのリプライやお気に入り、RTに加え、検索によるユーザー指定やハッシュタグ指定も可能な他、いったん右側に登録した発言もドラッグ&ドロップで並び順を手軽に変更できる。
Twitterの発言をまとめることが目的のサービスだが、Twitter以外のサービスもまとめに含めることが可能。Amazonの商品やGoogle位置情報、YouTubeやニコニコ動画などの動画サービス、Flickrやinstagramなどの画像サービスに加え、すでに作成されているTogetterのまとめをTwitterの発言と同様にドラッグ&ドロップで項目として挿入できるなど、挿入できる情報の種類は豊富だ。
まとめ以外にオリジナルのテキストを自分で書くこともできる。テキストエリアは文字の大きさや書体、リンクなど基本的な編集が可能で、テキスト内に動画や画像を含めることもできるなど、ちょっとしたブログ並みの機能を実装している。
Togetterの使われ方はさまざまで、イベント参加者の感想など複数ユーザーの発言をまとめる場として使われたり、時事問題に関する人々の反応をまとめたり、時にはTwitter上で人気の面白い発言をまとめる場など内容は実にバラエティに富んでいる。また、自分自身の発言を自分でまとめるというような1人の発言ログとしても使われている。
Twitterの発言をまとめるTogetterに対し、Web上のコンテンツをすべてまとめの対象としたのが「NAVERまとめ」だ。こちらはWebサイトのURLや画像、動画、ブログやニュース記事の文章の引用など、さまざまなコンテンツを1つにまとめられる。
Twitterにも対応しており、発言のURLを入力すると該当のURLをまとめとして取り込める。Twitterの発言をタイムリストや検索キーワードなどの一覧から取得できるTogetterに比べると、Twitterの発言をまとめるのは手間がかかるが、Twitterよりもリンクや引用を中心にまとめたいといった幅広い内容にはNAVERまとめが適している。
NAVERまとめの面白い取り組みとしては、作成したまとめのPVに応じてインセンティブを支払うという制度を導入していること。まとめに表示された広告収益を作成者に還元する他、高い実績を出した作成者はその実績内容に応じてインセンティブの額が上がるなどの仕組みを取り入れることで、まとめ作成者の活性化を図っている。
まとめるコンテンツの対象が多岐に渡るため、NAVERまとめで作成されるまとめはTogetterよりも幅広い。Web上の面白いネタや有名人エピソード、生活が便利になるライフハックなど、多種多様なまとめが日々作成されている。
まとめサービスとして人気を集めるTogetterとNAVERまとめだが、面白いのはどちらもまとめだけではなく、自分で作成したオリジナルの文章を利用することも可能なこと。Togetterは前述の通りブログのような記事投稿エリアが用意されており、NAVERまとめもテキストや見出しなどは自由に挿入してまとめを構成できる。
一方、ブログを使ってこうしたまとめを作成することも機能的には可能だ。Twitterの発言はブログなどにそのまま引用する機能が提供されており、livedoor BlogではTwitter発言を引用する機能を提供している。画像や動画についてはむしろブログの方が充実した機能を持っていることも多い。
オリジナルのテキスト、画像や動画というリッチコンテンツ、そして他サイトからの文章の引用という要素だけを見れば、まとめサービスも1つのブログサービスとしてみることもできる。しかし、Twitter発言の集約やコンテンツのまとめに特化した機能やインターフェイスを搭載することで、一般的なブログサービスとは違うユーザー層を獲得している点は非常に興味深い。
ブログは書かないけれどTogetterでまとめたり、NAVERまとめでまとめを作成したりという行動は、「Webで何か情報を発信したい」という点では同じと言えるだろう。コンテンツを自ら作り出すイメージの強い従来のブログに対し、まとめを中心に据えることで新たな使い方やユーザーを発掘したまとめサービスを見ると、「情報をWeb上に残す」Weblog本来の意味としてのブログには、見せ方や機能次第でまだまだ秘めた可能性を持つように思う。
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