インターネットの普及に伴い、ここ数年で、いわゆるSOHO(Small Office Home Office)という形態のビジネススタイルが、にわかに注目を浴び始めた。企業からの委託により、特定の業務を在宅の形で引き受ける個人事業主も増えてきているうえ、インターネットを利用した各種サービスを提供する事業を小人数で興す企業も少なくない。
しかしながら、このような環境でネットワークが十分に活用されているかというと、一概にそうともいえない。SOHOや家庭内LANといった環境は、ある意味特殊な環境といえる。大企業のようにネットワーク構築に十分に費用を投資できるわけではないうえに、専任のネットワーク管理者を置いてネットワークを構築・運用していくことも困難だ。
そこで、本連載では、このようなSOHO環境で、効率的にネットワークを構築するためのノウハウを紹介していく。インターネットへの接続から、具体的なネットワークの構築方法、そして活用方法までを数回にわたって解説していく。SOHOでビジネスを展開しているユーザーはもちろん、家庭内でLANを構築しようと考えているユーザーの参考になれば幸いだ。
SOHO環境のネットワークで、まずはじめに考えたいのはインターネットへ接続するためのインフラだ。まずLANを構築し、その後にインターネット接続を考えるというユーザーもいるかもしれないが、むしろ重要なのはLANよりもインターネットへの接続だ。企業からの委託で仕事をしているのであれば、その企業との連絡に欠かせないものとなるうえ、サテライトオフィスや実際の販売業務などを行う店舗が全国展開されているような形態の企業では、本社との連絡に欠かせないものとなる。
現状、このようなインターネットへの接続は、一般的なアナログ回線、もしくはISDNを利用して行われているケースが多い。いわば家庭のユーザーと同じく、必要なときに電話回線を通じてダイヤルアップ接続しているわけだ。しかし、この形態では、利用頻度が高くなるにつれ電話料金が高くなるうえ、リアルタイムな情報交換ができないという欠点がある。そこで導入を考えたいのが常時接続回線だ。
現状、インターネットへ常時接続できる回線としては4つの選択肢が挙げられる。今年サービスが開始されたばかりのフレッツ・ISDN、こちらも比較的新しいサービスのADSL、そして従来からあるCATVと専用線サービスだ。どのサービスもインターネットへ常時接続できるという点に関しては同じだが、細かなサービス内容に違いが見られる。まずは、各サービスの概要から見ていこう。
ISDN回線のBチャンネル(Bチャネル)を1つ利用して64kbpsの常時接続を擬似的に行うサービス。既存のISDN回線を生かして配線ができるため初期投資が安く、月々の利用料金も安い。利用するプロバイダ次第では、月々5000円前後で常時接続環境を手に入れることができる。ただし、本質的には常時接続というよりは、インターネットへの接続料金が定額になるサービスとなる。料金を気にせず、つなぎっぱなしにできるという点で、常時接続回線的に利用することができる。また、現状は開始されたばかりのサービスのため、サービス提供地域が限定されている。順次拡大されつつあるが、全国展開にはもう少し時間がかかる。
一般の銅線電話回線を利用して、数百k〜数Mbpsという高速なインターネット接続を提供する常時接続サービス。もともとは米国でビデオ・オン・デマンド用に開発された技術が基になっており、データ通信用に音声と異なる周波数帯域を割り当てることで、音声とデータの両方の共有が可能となっている。ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line:非対称デジタル加入者線)という名前の通り、上りと下りの回線速度が非対称なのが特徴。固定IPアドレスを利用できる場合が多いため、サーバの公開なども容易にできるうえ、料金も月額数千円程度と安いが、サービス提供地域が非常に限定されているのが欠点。
CATV用の同軸ケーブルを利用して、データ通信を行うサービス。CATV業者が電柱に施設しているケーブルには、同軸ケーブルと光ファイバを束ねたハイブリット回線が利用されているため、数百k〜数Mbpsと高速なデータ転送が可能となる。料金は、前述したフレッツ・ISDNやADSLと互角だが、各地域に存在するケーブルテレビ業者が提供するサービスであるため、サービス提供地域が限定されるという欠点がある。また、複数のパソコンからの接続を許可していない業者や、PCを追加するごとに追加料金が発生する場合、法人コースでの契約が必要な場合もあり、サービス次第では割高になってしまう可能性もある。
OCNエコノミーなど、128kbpsの専用アクセスラインを利用してインターネットに接続する常時接続サービス。複数のユーザーで回線を共有しているため、従来の専用線サービスよりも料金が安く設定されている。しかしながら、ほかの常時接続サービスに比べると、月々の料金が3万円前後となるため割高感は否めない。ただし、IPアドレスが固定で割り当てられ、独自ドメイン名も利用可能になるなど、サーバを公開するのには向いている。
これらのサービスのうちから、どれかを選ぶことになるのだが、残念ながらサービスのよし悪しを比べる前に、ユーザーの選択肢はある程度絞られてしまう。なぜなら、オフィスのある場所によっては利用できないサービスがあるからだ。
特に、ADSLとCATVは場所に左右されやすい。ADSLは、銅線で高速伝送する技術であるため、必ず銅線の両端にADSLモデムが存在する必要がある。このため、加入者回線の一部でも光ファイバ化されていると、サービス提供地域であったとしてもサービスを受けられないことになる。NTT地域会社は「き線点」と呼ばれる加入者回線の幹線と支線の接続点の光ファイバ化を進めているため、今後もこのような理由でADSLを導入できないケースは多くなるはずだ。
一方のCATVは、電線が地中化されている場合に問題がある。通常、CATVを利用する場合は電力会社やNTT地域会社が所有する電柱にケーブルを敷設する。しかし、電線が電柱ではなく地中化されている地域では、地中からユーザー宅までケーブルを引き込む工事が必要になってしまう。このコストは1m当たり数十万円にもなるというのだから、CATV会社としてはサービスを提供しても割に合わないことになる。
このような理由から、この2つのサービスに関しては、今後サービス提供地域がなかなか広がらない、もしくは広がったとしても利用できないケースが考えられる。また、フレッツ・ISDNもまだ全国展開とまではいかない状況にあるため、現状は利用できない地域も多い。よって、どのサービスを選ぶかは、まずオフィスのある地域や自分の住んでいる地域で、どのサービスが利用できるかを検討することから始める必要がある。ADSL、CATV、専用線サービスを提供している会社と、その概要についても表1・2・3にまとめておいたので、それぞれのホームページなどでサービス提供地域を調べてみるとよいだろう。
NTT-ME | OCN | 東京めたりっく通信 | @nifty | |
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サービス名称 | WAKWAK ADSL接続サービス | OCN ADSL接続試験サービス | Single 640 | タイプ1 |
初期費用 | 2万9800円 | 2万100円 | 2万7000円 | 2万8900円 |
月額料金 | 6980円 | 7100円 | 5500円 | 7000円 |
回線速度 | 512/224kbps | 512/224kbps | 640/250kbps | 512/224kbps |
表1 おもなADSLサービス一覧(データは2000年11月14日現在のものです。プロバイダ名をクリックすると各社のサービスを説明するページにジャンプします)-別のウィンドウで詳細を見る |
@NetHome | 東急ケーブルテレビ | タイタスコミュニケーション | ZAQ | |
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サービス名称 | @NetHome | @CATV | ALLNET高速アクセスベーシック | ZAQレギュラー |
初期費用 | 2万5000〜3万5000円 | 2万1000〜3万円 | 2万円 | 2万〜5万円 |
月額料金 | 6500円 | 5200円 | 5500円 | 6000円 |
回線速度 | 数百kbps | 数百kbps | 512/100kbps | 128kbps |
表2 おもなCATVサービス一覧(データは2000年11月14日現在のものです。プロバイダ名をクリックすると各社のサービスを説明するページにジャンプします)-別のウィンドウで詳細を見る |
NTTコミュニケーションズ | 日本テレコム | DDI | |
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サービス名称 | OCNエコノミー | ODNエコノミー | DIONスタンダード |
初期費用 | 2万〜3万円 | 2万〜3万円 | 2万〜3万円 |
月額料金 | 3万2000円 | 3万900円 | 3万900円 |
回線速度 | 128kbps | 128kbps | 128kbps |
表3 おもな専用線サービス一覧(データは2000年11月14日現在のものです。プロバイダ名をクリックすると各社のサービスを説明するページにジャンプします)-別のウィンドウで詳細を見る |
どのサービスが利用できるかを確認できたら、肝心のサービス内容から各サービスを比較検討する。まずは、各サービスの特徴について、表4にまとめておいたので参照してほしい。
フレッツ・ISDN | ADSL | CATV | 専用線サービス | |
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イニシャルコスト | 2000円〜*1 | 2万〜3万円*3 | 2万〜5万円*5 | 2万〜3万円*8 |
ランニングコスト(月額) | 4950〜6500円 | 6300〜7100円*3 | 5200〜6000円 | 3万900〜3万2000円*8 |
回線速度 | 64kbps/64kbps | 224〜250kbps/512〜640kbps | 100kbps程度/512kbps程度*6 | 128kbps/128kbps |
IPアドレス | DHCP*2 | 固定/DHCP*4 | 固定/DHCP*7 | 固定 |
備考 | *1すでにISDN回線を契約している場合の料金*2一部のプロバイダでは固定で割り当てることも可能 | *3電話と多重で利用した場合の料金*4基本的に固定の場合が多いがDHCPの場合もある | *5工事費用はサービス提供地域によって異なる*6スピードを公表していない場合も多い*7基本的にDHCPによる割り当てだが、固定IPアドレスにすることも可能 | *8DNS、Mailなどサーバを自前で用意した場合の料金 |
表4 定額常時接続サービス一覧-別のウィンドウで詳細を見る |
ここで重要になるのは、コストと回線速度、IPアドレスの割り当て方だ。もちろん、コストは低い方がよいし、回線速度も速い方がよいのは当たり前だ。しかし、回線速度に関しては使い方次第ともいえる。SOHOや家庭を考えると、それほど多くのユーザーが同時にインターネットに接続するという状況は考えにくい。これなら、インターネット上のWebサイトを見る、メールを送受信するといった日常的な使い方をする限り、フレッツ・ISDNの64kbpsでも、さほど気にはならないだろう。むしろ、回線速度が遅くとも、常時接続されているメリットを感じる機会の方が多いはずだ。
IPアドレスに関しては、サーバを公開するかしないかによって大きく変わってくる。もし、Webサーバやメールサーバを構築して情報発信や独自ドメインによるメールのやりとりを行いたいのであれば、必ず固定でIPアドレスを割り当ててもらえるサービスを選ぶ必要がある。
しかし、回線速度やメンテナンスの手間を考慮すると、どのサービスでもサーバを公開することは難しい。場合によっては、外部からのアクセス集中により、内部からインターネットへアクセスするときのパフォーマンスが低下してしまう恐れさえある。そして何より、SOHOや家庭といった環境では、公開するためのサーバを構築することはできても、それを長期にわたって運用していくだけの時間と労力を割くことができない場合が多い。将来的にサーバを公開する必要が生じたときに、あらためてサービスを選び直すこともできるし、別途ホスティングサービスを利用してサーバを公開するという手も考えられるので、現状は、それほど固定IPアドレスにこだわる必要はないだろう。
このように、各サービスの概要、そしてサービスを選ぶ際の基準について見てきたが、本連載では4つの常時接続回線の中からフレッツ・ISDNにフォーカスを当てて話を進めていく。前述したようにADSLやCATVはサービス提供地域が限られていることを考えると、現状はフレッツ・ISDNを選択するしかないというユーザーも多い。新しいサービスの実力を検証するという意味も込めて、フレッツ・ISDNによるSOHOネットワーク構築について解説していこう。
さて、具体的な話に入る前に、もう少し詳しくフレッツ・ISDNについて見ていこう。フレッツ・ISDNは、既存のISDN回線を利用するインターネット接続サービスだが、そのしくみは従来からISPが提供しているダイヤルアップ接続とは大きく異なる。
従来のISDNを利用したダイヤルアップ接続では、アクセスポイントに設置されたRAS(Remote Access Server)に対してダイヤルアップして接続する際、NTTの収容局に設置されたISM(加入者収容モジュール)やGC(交換機)、IC(中継交換機)、さらにこれらを結ぶ伝送路を占有してしまう。このため、常時接続が可能となるフレッツ・ISDNでも同じしくみを採用すると、これらの機器の増設までも伴うことになり、結果的にコストを下げることができなくなってしまう。
そこで、フレッツ・ISDNでは、ISMから地域IP網と呼ばれるNTTが地域ごとに敷設したIPネットワークを経由して、インターネットに接続する方式を取っている。もう少し具体的に説明すると、ユーザーがダイヤルアップ接続すると、ISMが電話番号からIP接続サービスを利用することを判断し、地域IP網にデータを転送する(図中-1)。地域IP網の入り口には、RASが設置されており、接続時に指定したユーザーIDのドメイン名を判断して、地域IP網に接続されたプロバイダのネットワークへとデータをルーティングする(図中-2)。そして、無事にプロバイダのサーバにたどり着くと、認証およびIPアドレスの割り当てが行われ接続が完了することになる(図中-3)。この地域IP網を利用することで、コストを低く設定できるわけだ。
このため、フレッツ・ISDNでは、プロバイダのアクセスポイントではなく、NTTから指定された電話番号に対して電話をかける必要があるうえ、ユーザー認証のためのIDに「xxxxx@xxx.ne.jp」のように利用するプロバイダのドメイン名を含めなければならないことになる。通常のダイヤルアップ接続とはまったくしくみが異なるので、使い方も変わってくることになる。
ただし、地域IP網を経由するのはタイプ1と呼ばれる月額4500円のサービスだけだ。フレッツ・ISDNには、タイプ2と呼ばれる月額2900円のサービスも存在するが、こちらはプロバイダが、NTTの収容局内にRASを用意し、専用線などで直接ネットワークを接続するしくみとなっている。現状、各プロバイダで提供されているサービスがタイプ1ばかりなのは、これらRASの設置や収容局へのネットワークの乗り入れのコストが高くつくからだ。タイプ2のサービスが開始されるまでには、もう少し時間がかかるだろう。
このようなフレッツ・ISDNを利用するには、NTTへの申し込みが必要となるが、このときに注意したいのが以下の3点だ。
まず、サービス提供地域だが、今年8月のエリア拡大に伴い、主要都市部までかなり拡大されたが、まだ全国展開までには至っていない状況にある。今年中にさらにエリアが拡大される予定となっているが、まだ使えない都市も多い。自分の住んでいる場所、オフィスのある場所で使えるかどうかは、NTTの各地域会社のホームページで確認できるので、これを利用するとよいだろう。NTT東日本であれば「http://www.ntt-east.co.jp/flets/」、西日本であれば「http://www.ntt-west.co.jp/ipnet/ip/」となる。
ただし、サービス提供地域でも、申し込んですぐに使えるとは限らない。地域によっては、サービスが開通するまでにかなりの期間がかかるようで、場合によっては1カ月以上待たされることもある。これは、フレッツ・ISDNの申し込みが予想以上に殺到しているという理由もあるが、実際には収容局側の機器の増設に時間がかかっていることが多い。機器の増設が伴えば、発注から納品、設置までに1カ月以上の期間がかかることもあるうえ、収容局によっては増設する機器を設置する部屋や場所の確保までしなければならないケースもある。ちなみに、筆者は東京都下に住んでいるが、8月中旬にフレッツ・ISDNを申し込んだものの、10月中旬まで開通しなかった。とは言え、いったんNTT側の機器が整備されてしまえば、開通までにかかる時間は短縮されることになる。現在では早ければ2週間程度、遅くとも1カ月程度で開通する見込みとなっているので、それほど待たされることはないだろう。
最後の初期導入コストだが、これは現状ISDNを導入しているかどうかによって異なる。すでにISDNを利用しているのであれば、2000円前後で済むが、アナログからISDNに移行する場合や新たに回線を申し込む場合では異なる。それぞれのケースで、どれくらいの費用が必要になるのかを表にしておいたので参考にしてほしい(表5)。ただし、この表はあくまでも工事費用のみを計算したものだ。実際にフレッツ・ISDNを利用するには、ルータやTAなどの機器も必要となるので、別途これらの費用も計上する必要がある。
ISDN導入済み | 完全に新規に導入 | INSネット64・ライト で新規導入 |
アナログ回線から移行 | |
---|---|---|---|---|
基本工事 | 1000円 | 1000円 | 1000円 | |
交換機工事 | 1000円 | 1000円 | 1000円 | |
INSネット契約料 | 800円 | 800円 | 800円 | |
施設設置負担金 | 7万2000円 | |||
屋内配線工事 | ||||
合計 | 2000円 | 7万2800円 | 2800円 | 2800円 |
表5 フレッツ・ISDN初期導入費用-別のウィンドウで詳細を見る |
フレッツ・ISDNを利用するには、NTTへの申し込み以外にプロバイダへの申し込みも必要となる。このプロバイダ選びは、実は非常に重要だ。各プロバイダによってサービス内容が異なるため、よく検討して選ばないと後悔することにもなりかねない。
まず検討したいのは料金だが、これは各プロバイダとも大きな格差はない。中には450円という低価格でサービスを提供しているプロバイダもあるが、ほぼ2000〜3000円前後となる。また、IPアドレスの割り当てもほとんどがDHCPによる自動割り当てで、固定で割り当てを行うプロバイダはごくわずかとなっている。これらの条件に関しては、各プロバイダとも大きな違いはない。主なプロバイダのサービス内容を表にしておいたので参考にしてほしい(表6-別のウィンドウで詳細を見る)。
では、どこに注目すればよいのかというと、既存のアカウントからの移行が可能かどうかという点と、ダイヤルアップ接続との併用が可能かどうかという2点だ。
まず、既存のアカウントからの移行だが、これが不可能だと、フレッツ・ISDNの導入と同時にメールアドレスが変更されたり、ホームページ領域のアドレスが変更されてしまうことになる。もちろん、既存の契約はそのままに、新たにフレッツ・ISDN向けの契約を結ぶことも可能だが、異なるプロバイダと複数の契約をするならまだしも、同じプロバイダと複数の契約を結ぶのは、料金の問題からいってもあまりおすすめできない。
次に、ダイヤルアップ接続との併用が可能かどうかだが、これはモバイルユーザーにとって非常に重要な条件だ。中には、フレッツ・ISDNからの接続しかできないプロバイダもあり、外出先などからダイヤルアップ接続する場合には、別途ダイヤルアップ用の契約が必要となるケースもある。外出先からもダイヤルアップ接続したいのであれば、併用できるプロバイダを選んでおくべきだろう。
ただし、ダイヤルアップ接続との併用ができるプロバイダであっても、フレッツ・ISDNとダイヤルアップで同時に接続することができないケースもある。家庭やオフィスなどでフレッツ・ISDNで常時つなぎっぱなしにしている状態で、同時に外出先からダイヤルアップすると、プロバイダによっては二重ログインと見なされて接続できない場合もある。自分のニーズに合わせて、このあたりもよく確認しておくとよいだろう。
以上、今回は常時接続回線の選び方から、フレッツ・ISDNの概要まで解説してきた。特にフレッツ・ISDNは、まだ開始されたばかりのサービスであるため、導入時に注意しなければならないポイントが数多くある。本稿で挙げたポイントに注意して、実際の導入を進めるとよいだろう。次回以降は、具体的にフレッツ・ISDNを実際に利用したSOHOネットワークの構築について解説していく予定だ。
上記表5の中で「アナログ回線から移行」にかかる料金が「1万100円」とありましたが、「2800円」の誤りでした。訂正して、ここにお詫びさせていただきます
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