ユーザー情報に基づく処理を可能にするユーザー名やコンピュータ名の取得方法と、ネットワーク・ドライブ/プリンタの利用法。
前回のWshShellオブジェクトに続き、今回はWshNetworkオブジェクトを解説する。
WshNetworkオブジェクトは、スクリプトからネットワーク・ドライブやネットワーク・プリンタにアクセスするためのオブジェクトである。WshShellオブジェクトと同じように、あらかじめCreateObjectメソッドでインスタンスを作成しておく必要がある(これに対し、WScriptオブジェクトのインスタンスは暗黙的に作成される)。WshNetworkオブジェクトのプログラムIDは“WScript.Network”なので、スクリプトの冒頭部分で次のように記述すれば、objNetworkをWshNetworkオブジェクトとして利用できる。
Set objNetwork = WScript.CreateObject("WScript.Network")
次表は、WshNetworkオブジェクトに含まれる各メソッド/プロパティと、それらの役割を一覧にしたものである。
メソッド/プロパティ | 役割 |
---|---|
MapNetworkDrive | ネットワーク・ドライブの接続 |
RemoveNetworkDrive | ネットワーク・ドライブの切断 |
EnumNetworkDrives | ネットワーク・ドライブの列挙 |
AddPrinterConnection/AddWindowsPrinterConnection | ネットワーク・プリンタの接続 |
RemovePrinterConnection | ネットワーク・プリンタの切断 |
EnumPrinterConnections | ネットワーク・プリンタの列挙 |
SetDefaultPrinter | デフォルト・プリンタの設定 |
ComputerName/UserDomain/UserName | スクリプトを実行しているコンピュータとユーザーの情報取得 |
WshNetworkオブジェクトのメソッドとプロパティ |
このようにWshNetworkオブジェクトでは、ネットワーク・ドライブやネットワーク・プリンタの利用と制御が可能であるとともに、スクリプトを実行しているコンピュータやドメイン、ユーザーの情報取得ができる。これらの情報を基に、処理を切り替えるようなスクリプト(特定のドメイン、特定のユーザーにだけ何らかの処理を実行するようなスクリプト)で活用できる。
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