Eclipseで利用できるUMLプラグインはいくつかありますが、現在よく利用されているものは、機能が豊富過ぎてプラグインの動作が重くなったり、軽量だけど機能が不足していたりします。今回は、現場で必要な機能を絞って提供して軽量な動作を実現しているUMLプラグインAmaterasUMLをご紹介します。
今日、アプリケーション開発において、UMLモデリングツールはアプリケーションの要件を引き出す要件/分析モデリングから、アプリケーションの設計/実装/テストにおける設計モデリングまで、多くの場面で利用されています。特に設計におけるモデリングの重要性は、誰しもが認めることでしょう。
UMLモデリングプラグインを導入することで、EclipseでもUMLモデリングができるようになります。UMLモデリングプラグインはさまざまなベンダや有志開発者が開発していますが、大別すると次の3つに分けられます。
多くの場合、このカテゴリに分類されるプラグインは、もともと独立したUMLモデリングツールとして開発されていたものをEclipseに統合したものです。有名なものにBorland TogetherやMagicDraw UML、SDE for Eclipseがあります。
これらのツールはほぼすべてのUML図をサポートし、さまざまな言語へのフォワード/リバースエンジニアリングに対応し、また強力なレポート機能を備えています。
すべてのUML図には対応していなかったり、フォワード/リバースエンジニアリングの機能がJavaだけにしか対応していなかったりしますが、比較的安価で入手することができ、かつEclipseで利用しやすいようにさまざまな工夫が施されています。
例えば、クラスモデルの作成がそのままJavaクラスの作成と同期したり、Eclipseのビルダーとして実装され、ファイル保存時に自動的にクラス図を生成したりするものもあります。代表的なものにOmondo EclipseUMLやLightUML、Apollo for Eclipseなどがあります。
UMLをコミュニケーションを円滑に進めるための道具ととらえて、簡単に図を記述するという点に工夫を凝らしたプラグインです。リバースエンジニアリングやフォワードエンジニアリングができない代わりに、UMLのメタモデルにとらわれない自由な記述が可能であったり、軽快に動作したりします。有名なものにUMLetやViolet UML Editorがあります。
UMLモデリングプラグインといってもさまざまです。UMLをそのまま設計情報として利用するのであれば、レポート出力機能の付いたベンダ製のプラグインが適しているでしょうし、コーディングした結果を可視化する、といった目的でUMLを利用するのであれば、強力なリバースエンジニアリングの機能を持ったプラグインを利用することをお勧めします。また、設計書に添付する図としてUMLを利用するのであれば、スケッチベースのUMLツールが便利でしょう。プロジェクトの要件やフェイズに合わせて、適材適所でプラグインを選定していくとよいと思います。
今回紹介するAmaterasUMLプラグインは、上記3のようにスケッチとしてUMLを記述することに主眼を置きつつ、簡易なフォワード/リバースエンジニアリング機能を提供します。AmaterasUMLは、次の機能を提供します。
AmaterasUMLは、UMLのダイヤグラムの中で、クラス図、シーケンス図、ユースケース図にのみ対応しています。
AmaterasUMLはこちらから入手してください。入手したアーカイブを解凍し、出てきたjarファイルをEclipseのプラグインフォルダにコピーすれば、インストールは完了です。
また、AmaterasUMLの動作にはGEF(Graphical Editing Framework)も必要です。もし、インストールされていないようでしたら、Callistoを使ってインストールするか、gef project downloadsからダウンロードしてインストールしてください。対応するGEFのバージョンは3.1以降になります。
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