前回までの連載を通じて、Eclipseを利用してアプリケーション開発を行ううえで便利なプラグインを、オープンソースのものを中心に数多く紹介してきました。
個別にプラグインをインストールする方法は、オーダーメイドで自分好みの開発環境を作ることができるというメリットもありますが、以下のようなデメリットもあります。
Eclipseの最大の売りの1つに、オープンソースおよびサードパーティから提供されている豊富なプラグインがありますが、Web上に散在するプラグインを個別にインストールするには、それなりの手間が掛かります。
また、プラグインによっては、前提となるプラグインが存在する(例えば、Visual EditorプラグインにおけるGEF、EMFなど)場合があり、その分ダウンロード/インストールの手間が掛かります。
プラグインによっては、一緒に入れると、どういうわけか動作しない組み合わせが存在します。また、先ほどのVisual Editorのように前提となるプラグインが存在する場合に、バージョンを間違えるとインストールに失敗し、原因が分からずに悩んでしまうということもよくあります。さらには、Eclipse自身をバージョンアップした際には、あらためて対応したバージョンのプラグインをセットする必要があります。
大人数で開発をする際には、環境による差異を少なくするために、プラグインを統一したい場合があります。具体的には、プロパティファイルやXMLなどで日本語を利用する場合のように、エンコーディングに注意する必要がある場合になどがこれに当たります。
豊富なプラグインが提供されているのはいいのですが、どのプラグインを使えばいいのか、初心者には分かりにくいという問題があります。
上記のような問題を解決する一手段として、All-in-one-Eclipseや、MyEclipseなどのようなオール・イン・ワン・パッケージがあります。All-in-one-Eclipseは、All-in-one Projectが開発したEclipseのWindowsインストーラで、以下のような特徴を持っています。
一方のMyEclipseは、商用のEclipseベースIDEであり、以下のような特徴を持っています。
今回は、Eclipseのプラグインとして提供されているMyEclipse 5.0を解説します。代表的な機能である、AJAX開発、Webサービス開発、GUI(Swing)開発について紹介していきます。
MyEclipseは有償製品ですが、30日間試用をすることができます。今回はこの試用版を利用します。
Eclipse Callistoについて
Eclipse 3.1までは、Eclipseのサイトで配布されているプラグインを個別にインストールする必要があり、また、リリースのタイミングもまちまちでした。Eclipse 3.2からは、Callisto Projectsとして、Eclipseのサイトで配布されているプラグイン群もEclipse 3.2と同時にリリースし、Eclipse 3.2に最初から登録されたアップデートサイトを利用してプラグインを簡単にインストールできるようになっています。現在、アップデートサイトからはBIRT、CDT、DTP、EMF、GEF、GMF、TPTP、WTP、VEがインストールできるようになっています。これらのプラグインはもちろんEclipse 3.2で動作確認されており、従来のプラグイン導入の煩わしさが大きく改善されています。
MyEclipseをインストールする前に、Eclipse本体をインストールする必要があります。すでにEclipseをインストールしていると思いますが、プラグインの競合を避けるために、MyEclipse用に別途、専用のEclipseをインストールすることをお勧めします。
http://www.myeclipseide.com/からMyEclipseをダウンロードします。その前にまずユーザー登録をする必要があります。ユーザー登録ページからユーザー名・パスワード・メールアドレスを入力してユーザー登録をした後、ダウンロードページからダウンロードし、インストールを実施します。インストールを開始すると、図1のスプラッシュ画面が表示されます。
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