「監査」以外に、「運用の確認」が新たに追加されています。各部門などで行われるもので定期的に運用情報を確認し、不適合があれば是正・予防処置をすることが必要です。アクセスログの定期的チェックや、入退室チェック(最低でも最初の入室、最終退場者の記録のチェック)を行うことが求められます。
事業者は、個人情報保護マネジメントシステムが適切に運用されていることが事業者の各部門及び階層において定期的に確認されるための手順を確立し、実施し、かつ、維持しなければならない。
新JISで追加された項目です。通常、監査に伴って行われる処置であり、すでに対応していることが予想されますが、内部規定とすることを求められていますので、文書化する必要があります。
また、是正処理及び予防処置に関しては、監査以外にも日々の業務遂行や点検の中から自発的に実施されることが望ましいものです。
新JISでは見直しの際に考慮する項目が明確になりました。
事業者の代表者は、個人情報の適切な保護を維持するために、定期的に個人情報保護マネジメントシステムを見直さなければならない。
事業者の代表者による見直しにおいては、次の事項を考慮しなければならない。
旧JISから新JISへ移行するに当たり、まずはどこまですでに対応できているかを把握しましょう。そして次回更新の時期を見据えて早めに対処していくことが必要です。
「Pマーク取得への道」は今回で終了です。個人情報保護対策は、内部統制の一環でもあり、企業のCSR(Corporate Social Responsibility)といえるでしょう。マークの取得にかかわらず、JIS Q 15001の求める個人情報保護マネジメントシステムを参考に対策を講じることが重要です。
NECソフト株式会社
営業本部 コンサルティンググループ
ISMS審査員補/認定プライバシーコンサルタント(CPC)
直江 とよみ(なおえ とよみ)
個人情報保護対応のコンサルティング業務を中心に担当。 NECソフトでは、以下のサービスを提供しています。
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