あなたは、プロジェクト期間が6カ月、総予算が5000万円のプロジェクトを管理しています。いま、開始から1カ月が経過し、完成時の予測を立てるために分析を行おうと思います。現在の状況を測定すると、PV400万円に対し、EVは450万円、ACは500万円であることが分かりました。
(設問1)このプロジェクトの状態の説明として適切なものを選びなさい。
a.全体の進ちょくとしては予定以上に進んでおり、納期は心配ないが、コストが超過気味なので、不安である
b. 全体のスケジュールは予定より早く進んでおり、コストも当初より少なく推移しているので、このまま進めればよい
c. 全体として作業が遅れ気味で心配である。ただし、コストは予定より少ないので安心である
d. 全体として、作業は遅れ、コストも超過しているので、いますぐ対策を取るべきである
a
現在の状況は、SVおよびCVを計算すれば判断できます。
SV = EV- PV = 450万円 − 400万円 = 50万円 (50万円分の作業が先行)
CV = EV-AC = 450万円 − 500万円 = −50万円 (50万円分のコスト超過)
従って、選択肢aの説明が適切です。
(設問2)前述の状況でコストの超過が判明しましたが、これは見積もりの精度が低かったことが原因であり、引き続き同様の超過が予測されました。この場合、最終的なプロジェクトのコストはどの程度になりますか?
a. 約5050万円
b. 約5500万円
c. 約5556万円
d. 約6000万円
c
まずは、コストの効率を表すCPIを算出すると、
CPI = EV / AC = 450 / 500 = 0.9
となります。
これは、投入したコストの90%しか成果が上がっていないことを意味します。今後もこの効率でコストが発生すると仮定した場合、
EAC(完成時の予測)= AC +(BAC − EV)/ CPI
= 500万円 + (5000万円 − 450万円) / 0.9
≒ 5556万円
となります。従って、正解は選択肢cです。
田中亮
プロダクトマネージャ兼講師。保有資格は、米国PMI認定PMP、OCP:ORACLE MASTER GOLD。SEとして生産管理システムの開発を経て、グローバルナレッジへ転職。Oracle認定研修やデータベース関連コースの講師を担当後、PMPを取得。現在は、PM/SWEグループ プロダクトマネージャを担当する傍ら、講師としてプロジェクトマネージメントの研修やOracleの研修も実施している。いま関心のあることは、2人の息子の子育てと、ウイスキーを楽しむこと。
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