そんなワークライフバランスですが、最近は新聞や雑誌などで企業の取り組みを目にしない日はないほどです。なぜでしょうか。それにはいくつかの日本独自の背景があるのです。
少子高齢化が進む中、国にとっては、年金財源の確保が非常に大きな課題です。「出生率の向上」「新たな年金の払い手の増加」を同時に推進していかねばなりません。そのためには、これまで女性が一手に担ってきた家事・育児の分野に男性の参画を促す必要があり、法整備・環境整備に力を入れることが必要になってきたのです。
企業にとっても、少子化による労働力人口の減少は頭の痛い問題です。優秀な人材を新たに採用するために「働きたい会社」へと、いまいる人材の流出を防ぐために「働き続けたい会社」へと、変わらなければならない時期に差し掛かっています。
そのための手段が、ワークライフバランスの実現なのです。ワークライフバランス施策の充実は、社員の退職を防ぐとともに、新規採用を有利にし、さらにはいまいる人材の能力を引き出す可能性を持っている、新たな経営戦略の1つなのです。そのことに気付いた企業が、いま、続々と動き始めています。
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