さらに、「もう1つの2007年問題」と呼ばれる大きな課題も、ワークライフバランスの取り組みを後押ししています。
現時点では、団塊世代の一斉退職による労働力不足の問題がクローズアップされていますが、この問題は将来、さらに大きな問題を引き起こします。団塊世代が一気に要介護年齢に入る15年後、彼らを介護するのは誰でしょうか。そう、「団塊ジュニア世代」なのです。
団塊世代は非常に人数が多いですから、現在でさえ少ない介護施設は需要に追いつかず、団塊ジュニア世代が家庭で介護をするケースが多くなるといわれています。団塊ジュニア世代は兄弟が少なく、特に一人っ子は男性に多いといわれています。この世代の男性は未婚率も高いため、介護を分担できるパートナー(兄弟や妻)がいないことが多いのです。
企業で働いている団塊ジュニア世代は、7割が男性です。15年後には団塊ジュニア世代の男性が、介護休業の取得や介護のための短時間勤務など、働き方を大きく変えることが予想されます。
介護施設が今後爆発的に増えるということは考えにくい中、「育児で休む女性」よりも「介護で休む男性」の方が多いという時代が来るのです。これが「もう1つの2007年問題」です。
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