Windows XP簡単ディスク・ダイエット術 11のポイントクライアント運用管理(3/6 ページ)

» 2008年12月11日 00時00分 公開
[井上孝司,]

ドライバ・ファイルの削除(87Mbytes)

 Windows XPでは、OSが標準装備しているデバイス・ドライバについては「*.CAB」形式でアーカイブして「%SystemRoot%\Driver Cache\i386」に置かれているため、デバイスを追加しても、そのたびにWindows XPのインストールCDを用意する必要はない。しかし、このファイルのサイズはかなり大きいので(Windows XP SP3で約87Mbytes)、これを削除することで空き容量が増やせる。

手順
  「%SystemRoot%\Driver Cache\i386」フォルダを削除すればよい。ただし、後でデバイスを追加する際にデバイス・ドライバをインストールできず、トラブルにつながる可能性がある。そこで、USBメモリなどにファイルを移動して、そのパスを以下のレジストリで指定しておくとよい。

[注意]

レジストリに不正な値を書き込んでしまうと、システムに重大な障害を及ぼし、最悪の場合、システムの再インストールを余儀なくされることもあります。レジストリ・エディタの操作は慎重に行うとともに、あくまで御自分のリスクで設定を行ってください。何らかの障害が発生した場合でも、本Windows Server Insider編集部では責任を負いかねます。ご了承ください。


項目 内容
レジストリ・キー HKEY_LOCAL_MACHINEの\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Setup
値の名前 DriverCachePath
REG_EXPAND_SZ
E:\Drivers(USBメモリのドライブ・レター)

 なお、USBメモリのようなリムーバブル・ドライブでは「E:\Drivers」といった具合に、ドライブ名を含む形でパス名を指定することになる。しかし、併用するほかのストレージ・デバイスとの関係からドライブ名が変動する可能性があるため、指定したパスにデバイス・ドライバのファイルが存在せず、アクセスできなくなる可能性がある。リムーバブル・ドライブにデバイス・ドライバを移動する方法にはそうしたリスクがあるため、ほかの方法だけで十分な空き容量を確保できないときの、最後の非常手段と位置付けた方が無難だろう。

不要なフォントの削除(16Mbytes+アルファ)

 Windows XP Home Edition SP3では、全部で74ファイル、88Mbytesのフォント・ファイルがある。ただし、日本語フォントを削除するのは実用的とはいえない。日本語以外でサイズが大きいのは中国語・韓国語関連のフォント・ファイルだが、このうち削除できるのは「batang.ttc」(サイズは16Mbytes)に限られる。「gulim.ttc」「mingliu.ttc」「simhei.ttf」「simsun.ttc」は、削除しようとするとエラーになる。このほか、欧文フォントの中にも削除可能なものが含まれている可能性があるが、欧文フォントはサイズが小さいので、手間がかかる割には効果が薄い。

手順
 「%SystemRoot%\Fonts」フォルダの「batang.ttc」を削除する。フォントについては、Officeなどのアプリケーション・ソフトウェアと一緒に組み込まれるものもあるので、時々チェックしてみるとよい。

■仮想メモリのサイズの縮小(メイン・メモリ搭載量による)

 仮想記憶とは、メイン・メモリに収容できないプログラムやデータをハードディスクに待避することで、見掛け上のメモリ容量を増やす機能のことだ。

 Windows XPの場合、このために使用するファイルとして「%SystemRoot%\pagefile.sys」がある。サイズはメイン・メモリ搭載量によって異なるが、筆者手持ちのノートPC「ThinkPad X30」(メイン・メモリ搭載量512Mbytes)を例にすると、既定値ではサイズの下限が750Mbytes、上限が1500Mbytesとなっている(メイン・メモリのサイズの1.5倍と3倍になっている)。

 メイン・メモリを十分に搭載していれば、これをゼロに設定して仮想メモリを使用しないように設定することもできる。しかし、多数のアプリケーション・ソフトウェアを同時に実行したり、あるいはサイズが大きいデータを扱ったりしたときに、トラブルに見舞われる可能性がある。

 次善の策として、自分の利用状況を見極めたうえで、それに見合った必要最小限の仮想メモリを固定サイズで設定する方法が考えられる。メイン・メモリ搭載量の0.5倍から等倍程度を目安として、支障がない範囲でサイズを小さく設定するわけだ。どのくらいの仮想メモリ・サイズが必要になるかを見極めるには、Windows TIPS「最適なページ・ファイル・サイズを知るには」「必要メモリ・サイズを見極める」などを参考にしていただきたい。

手順
  [コントロール パネル]−[システム]−[詳細設定]タブの「パフォーマンス」の[設定]ボタンをクリックする。[パフォーマンス オプション]ダイアログが現れるので、[詳細設定]タブの「仮想メモリ」にある[変更]ボタンをクリック、現れた[仮想メモリ]ダイアログで確認・変更ができる。

 仮想メモリを作成するドライブやサイズが設定可能だ。デフォルトは、C:ドライブで[カスタム サイズ](容量はメイン・メモリの容量やディスクの空き容量などによって異なる)に設定されている。[ページング ファイルなし]を選択すると、仮想メモリの使用が中止され、ディスク容量がその分だけ空くことになる。

仮想メモリの設定画面
仮想メモリの設定は、[コントロール パネル]−[システム]で行う。[システム]ダイアログの[詳細設定]タブの「パフォーマンス」の[設定]ボタンをクリックすると、[パフォーマンス オプション]ダイアログが現れる。続いて[詳細設定]タブに移動して、「仮想メモリ」の[変更]ボタンをクリックする。こうして表示されるダイアログで、仮想メモリを作成するドライブと、そのサイズが指定できる。
  (1)仮想メモリを作成するドライブを選択する。
  (2)[カスタム サイズ]を選択すると、任意のサイズが指定できる。
  (3)[システム管理サイズ]を選択すると、仮想メモリの容量がWindowsによって自動的に設定される。仮想メモリの不足が発生しない代わりに、サイズが大きくなる可能性がある。
  (4)[ページング ファイルなし]を選択すると、仮想メモリを使用せず、メイン・メモリだけを使用するようになる。
  (5)サイズを設定したら、必ずこのボタンをクリックすること。[OK]を押すだけでは、設定されない。

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