Javaで一から理解するプログラムの変数と演算子【改訂版】Eclipseではじめるプログラミング(2)(3/3 ページ)

» 2009年02月10日 00時00分 公開
[小山博史株式会社ガリレオ]
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「かつ」「または」を表す論理演算子

 プログラムで、入力されたユーザー名とパスワードが、両方とも正しいかどうかを計算したいことがあります。こういった計算は、ユーザー名が正しいかどうかの結果をboolean型変数のxに代入し、パスワードが正しいかどうかの結果をboolean型変数のyに代入し、xとyに関する論理式「x かつ y」の値がどうなるのかを計算するということになります。

 こういった計算が簡単にできるように、Javaでは論理演算子も用意されています。「かつ」という論理積を表す演算子は「&&」となります。xとyの値が両方ともtrueのときだけ「xかつy」の値はtrueとなります。xの値がtrueで、yの値がfalseのときは、「xかつy」の値はfalseとなります。論理積の一覧を表2に示します。

x y x && y 評価結果
true true true
true false false
false true false
false false false
表2 論理積

 論理積以外の論理演算子としては、「または」という論理和を表す演算子があります。論理和演算子は「||」となります。xの値かyの値のどちらかがtrueのとき、「xまたはy」の値はtrueとなります。xの値がfalseで、yの値がfalseのときは、「xまたはy」の値はfalseとなります。論理和の一覧を表3に示します。

x y x || y 評価結果
true true true
true false true
false true true
false false false
表3 論理和

加減乗除の式を使ったプログラムを作ってみよう

 これもリスト6のようにPrintクラスへ処理を追加します。赤字色の部分が追加した分です。加減乗除の四則演算と一通りの論理演算を実行するようにしました。

リスト6
public class Print {

    /**
    * @param args
    */

    public static void main(String[] args) {
        // TODO Auto-generated method stub
        System.out.println(0);
        int i;
        i = 1;
        System.out.println(i);
        boolean b;
        b = true;
        System.out.println(b);
        System.out.println(1+2);
        System.out.println(5+i*3);
        System.out.println(3-5);
        System.out.println(12/5);
        System.out.println(12.0/5.0);
        System.out.println(false && false);
        System.out.println(b && false);
        System.out.println(b && true);
        System.out.println(false || false);
        System.out.println(b || false);
        System.out.println(b || true);

    }
}

答えは合っていますか?

 プログラムを入力し終わったら、Eclipseの[ファイル]→[保管]でファイルを保存してから、[実行]→[実行]→[Javaアプリケーション]を指定して実行してみましょう。図4のように出力されれば成功です。

図4 リスト6の実行結果 図4 リスト6の実行結果

 1+2の計算結果「3」などが出力されているはずです。また、12/5の計算結果が「2」となっているのに対し、12.0/5.0の計算結果が「2.4」となっていることが確認できるはずです。論理演算が初めての読者は表2・3とリスト6や図4をよく見比べて結果の確認をしてみてください。

次回は、プログラム処理の流れを“制御”する方法

 今回は、変数と型について解説をしました。「操作の途中で計算している値が変わるようなプログラムを作成するには変数を使えばよい」ということ、型とは「メモリをどのように利用するかを指定するためのもの」であることを理解できたでしょうか。

 型については、基本中の基本しか解説しませんでしたが、論理値や整数値、実数値を扱えるようになったはずです。また、式と演算についても解説しました。これらの事項を理解していれば、簡単な数値計算をコンピュータへ処理させることができます。

 次回はプログラム処理の流れを“制御”する方法について学びます。処理の流れを制御する方法にはいくつかありますので、順番に説明をしていきます。まずは「条件によって処理を分岐する方法」である条件分岐処理について解説する予定です。

筆者紹介

小山博史(こやま ひろし)

情報家電、コンピュータと教育の研究に従事する傍ら、オープンソースソフトウェア、Java技術の普及のための活動を行っている。長野県の地域コミュニティである、SSS(G)bugs(J)の活動へも参加している。

著書に「基礎Java」(インプレス)、共著に「Javaコレクションフレームワーク」(ソフトバンククリエイティブ)、そのほかに雑誌執筆多数。



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