SQLを操作するプログラムに対してSQL文の断片を渡すことにより、データベースを改ざんすることやデータベースに含まれる情報の入手を可能にする攻撃手法です。
具体的な例として、以下のような問い合わせSQLが実行されるログイン画面があるとします。
SELECT * FROM USER_TABELE WHERE password = 'pass' AND userName = 'user'
リスト1のコードは、「userName」「password」の2つの情報を利用して、データベースへの問い合わせ処理を実現しています。
次に、ログイン画面でユーザー名・パスワードを入力して、問い合わせてみます。
SELECT * FROM USER_TABLE WHERE password = '******' AND userName = 'YAMANAKA'
データベース「USER_TABLE」に入力した情報が存在していれば、問い合わせは成功となります。一方、入力した情報がデータベースに存在しなければ、問い合わせは失敗となります。
しかし、このように問い合わせている場合、画面上のテキスト入力欄にSQL文の断片を埋め込むことで、「USER_TABLE」に存在しない情報でも、問い合わせ処理を成功させることが可能です。
SELECT * FROM USER_TABLE WHERE password = '******' AND userName = 'YAMANAKA' OR 1 = 1 -- '
条件句に追加された「OR 1 = 1」は必ず成功する条件になります。この場合、条件句として指定されている「user_Name」「password」が一致しなくても問い合わせが必ず成功します。
SQLインジェクション攻撃を防ぐには以下が有効です。
編集部注:SQLインジェクションの対策に関しては、以下の記事もご参考にしていただければと思います
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パラメータの改ざんとは、攻撃者がURLパラメータやhidden、Cookieなどのリクエストを書き換えてサーバへ送る攻撃方法です。
具体的には、権限を示すパラメータがURLにある場合、その権限パラメータを書き換えるだけで管理者権限を得られる攻撃などがあります。
対策としては、「改ざんされては困るパラメータでは、クライアントから受け取った値を利用しない」「セッションIDによる状態遷移を行い、データはサーバ側の値を利用する」などがあります。すなわち、適切なセッション管理が重要です。
編集部注:パラメータの改ざんの対策に関しては、以下の記事もご参考にしていただければと思います
HTTPレスポンスヘッダに不正なデータを混入し実行させることで、攻撃者と同じプロキシサーバを利用しているユーザーに、実際にはサイトに存在していないコンテンツを、見せる攻撃手法です。また、HTTPレスポンスヘッダに改行を追加することで、アプリケーション利用者のWebブラウザ上で、「Location:」「Set-Cookie:」など任意のヘッダを出力させることが可能です。
また、存在していない偽ページへアクセスさせることにより、Webブラウザ上で悪意のあるプログラムが実行され、利用者の情報が漏えいする恐れがあります。
対策としては、レスポンスヘッダの一部を外部から入力させることを止める、あるいは入力の改行文字チェックなどがあります。
編集部注:HTTPレスポンス分割の対策に関しては、以下の記事もご参考にしていただければと思います
外部からサーバ上の任意のOSコマンドが実行される脆弱性です。OSコマンドが実行されてしまうと、情報漏えいやWebサイトのデータの改ざんなど、Webサイトが提供するサービスが止まりかねない事態を引き起こします。最悪の場合、Webサイトが乗っ取られて、ほかのWebサイトなどへの攻撃の踏み台にされることもあります。
対策としては、Webアプリケーション開発で外部プログラムを呼ぶようなプログラムを書かないことや、外部プログラムに渡すパラメータを英数字に限定して、入力データチェックを徹底する必要があります。
編集部注:OSコマンドインジェクションの対策に関しては、以下の記事もご参考にしていただければと思います
OSコマンドインジェクションを防ぐルールを作成する
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次ページでは、残りの脆弱性のうち【7】〜【11】について見ていきます。
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