<選手情報3>
チームラボ
「らぼかへ」「アクトトイレ」
山本遼
チームラボでサーバサイドのエンジニアをしている山本遼さんの1つ目のアプリは「らぼかへ」。「社内(チームラボ)のカフェ」という意味で、いわゆるコーヒーメーカーである。しかし、当然ながらどこにでもあるコーヒーメーカーではなく、LAN経由でWebブラウザを使ってコーヒーの残量確認ができるという代物だ。コーヒーにうるさい割に、インスタントや缶コーヒーで妥協する社員が多いことから、「みんながおいしいコーヒーを飲めるようにしたい」という思いで開発されたという。
面白いのは、その残量確認のための仕組み。段ボールの箱に穴を開け、コーヒーポットを通して得られる光を認識することで、センサとして応用している。
さらに、残量は専用のWebページを開いて確認するのではなく、Firefoxのアドオンを使ってステータスバーでアイコン表示される。手軽に通知する方法なら、Twitterやインスタントメッセンジャー経由でと発想しがちだ。しかしそれでは「流行に流され過ぎてて負けだろ」という、ひねくれとも発明家魂ともとれる姿勢でこのやり方にたどり着いたという。
Webカメラ経由の画像でコーヒーの残量を確認するのは、ネットの黎明期からある方法。そのやり方を踏襲するのではなく、新しい発想で形にした点は素晴らしい。なお、1杯60円で販売されているため、いちおうビジネスとして成立しているそうだ。
もう1つのアプリ「アクトトイレ」は、「トイレの個室に癒しを」というコンセプトで開発。トイレットペーパーを引き出す際のペーパーの回転を認識して、それに応じた映像を小型ディスプレイに表示するというシステムだ。ペーパーの軸自体は回らないため(けっこうこのタイプが多い)、回転のセンシングには光学マウスを応用。通常はマウスを動かすところを、床(ペーパー)の方を動かすというわけだ。
ペーパーの回転に合わせて表示されるのは、走り回るマウスの映像。ペーパーを速く引き出せば猛ダッシュする。しかし、その姿があまりにもかわいいため、ペーパーをついつい無駄に使うという現象が多発。そこで、「速く走らせ過ぎるとマウスが死んじゃう」というエコエディションに改良した。 ところが、今度はサディスティックな感情からマウスを死に至らしめようとペーパーをいっそう無駄遣いする社員が現れたという。いやはや。
博愛心によるエコを目指したら、サディスティックな社員に台無しにされちゃうところがおばか。
らぼかへ&アクトトイレ
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<選手情報4>
カヤック
「タニマニア」「パンティノン神殿」
林真由美、瀬尾浩二郎
イベントが後半戦へ突入したところで登場したのは、第1回でペイパーボーイ賞に輝いたカヤックの林真由美さんと瀬尾浩二郎さんのペア。ネット業界の面白企画といえば真っ先に名前の出てくるカヤック。そのラボ機関であるBM11(ブッコミイレブン)から生み出されたのが今回披露した2つのおばかアプリ。どちらもiPhone用アプリで、その名も「タニマニア」と「パンティノン神殿」。
タニマニアは、撮影した女性の胸部に、画像処理によって谷間を形成するというアプリで、平たくいえば「ボイン化ツール」だ。またしても「おっぱい」ネタ。「ブルータス、おまえもか」である。
男性の3人に1人が「あの子、おっぱいがもうちょっと大きかったらな……」と思ったことがあるという、カヤックの独自調査に基づいて開発されたという。具体的には、iPhoneのカメラで女性のポートレート写真を撮影し、そこにボイン化の画像レイヤを重ね合わせることで谷間ができてしまう。好みに合わせて「大盛り」と「特盛り」のサイズが選べるほか、ホクロも追加できる。お寿司にガリが付きもののように、谷間にはホクロである。ちなみに、筆者は巨乳よりは微乳という立場だが、このホクロにはグッとくる。
また、デモはなかったものの、おしりにも対応しているとのこと。とはいえ、「尻の割れ具合がイマイチなんだよね」というシーンは筆者には想像できないので、どういった使い道があるのかはなんとも。
もう1つのパンティノン神殿は、女性があたかもパンツをはいていないかのように画像処理をするアプリ。
これまた男性の3人に1人が10代のころに「目の前の子がパンツをはいてなかったらなぁ……」と妄想したことがあるという、カヤックの独自調査に基づいて開発されたとのこと。具体的には、女性の脚部に下着の画像レイヤを重ね合わせるというもの。たったこれだけのことだが、確かにそう見えてくるから不思議。人類の神秘である。この原理は、「グラビア写真のビキニ部分をスミベタで適当に塗りつぶすとアラアラ不思議ヌード写真であったかのように見えてしまうエフェクト」と同種のもの。専用アプリならではの機能として、5種類の下着から選択できる。加工対象となる写真はスカート姿が最適だが、ジーンズ姿などでもアクロバチックな妄想が広がる。
パンティノン神殿は現在App Storeで審査中だが、タニマニアは年齢制限なしで審査が通っている(Tanimania / タニマニア - 面白ラボBM11(ブッコミイレブン) 2009)。
最後に、瀬尾さんが「エロアプリばっかりじゃなんですから」とおまけ程度に披露したのが「おばか」ならぬ「お墓」アプリ。デスクトップのゴミ箱が棺桶になっており、ゴミを捨てると墓標が立ち、しばらくすると霊となって画面を飛び回るというもの。2、3回やってみたらお腹いっぱいなりそうなアプリである。霊は、成仏させるとお墓とともに消える。
拡張妄想という新たなジャンルを切り拓いたところがおばか。おっぱいを出せばいいと思っているところがおばか(本日2回目)。
当日のカヤックのプレゼン資料(キーボードの[→]で進み、[←]キーで戻ります) |
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