混戦が予想された注目の結果だが、優勝はチームラボの山本遼さんに決定した。もともと「おばか」を意識して作られたアプリではないが、それが逆にナチュラルなおばかを感じさせ、会場の共感を得たということだろうか。
そのほか特別賞として、イベントを共催したリクルートのMashup Awards賞にはAR三兄弟が、デイリーポータルZ賞にはカヤックの2人が選ばれた。
「おばか」であることや「イベントでの発表」ということを意識し過ぎてきれいにまとめすぎると、逆にインパクトが薄れてしまうこともある。ヘタに「おばか的なもの」として企画するのではなく、「取りあえず作りたいから作ってみた。これって自分以外には役に立たないかもしれないけど、おばか?」という素のアプローチのほうが、ハッとさせられることもある。世界をアッといわせるにはマーケットインではなくプロダクトアウトの姿勢。今回のイベント全体についてはそのような印象を受けたし、優勝した山本さんの「基本的に全部自己満足で」という言葉も象徴的であった。
これまでに負けず劣らずの個性的なアプリが集まった第3回おばかアプリ選手権。今回は特に、業界的にも注目ネタであるAR(拡張現実)系技術を使った作品が多かったように思える。これは、このイベントに業界のトレンドが敏感に反映されているからといえるかもしれない。また、そういった新しいものにいち早く取り組む先進的な参加者が多いのも特徴だろう。
AR系やフィジカルコンピューティング系など、単なるソフトウェアだけでなくハードウェアも活用したものが多いのも、おばかアプリ選手権ならでは。ソフトウェアだけとは違い、DIY的なモノ造りや身体で体感できるものなど、手間は掛かるが、その分与える印象も強く感動も大きい。実際にイベント会場へ足を運び、作り手と作品を間近で感じるという意味もそこにあるだろう。
次回の「第4回おばかアプリ選手権」は、企画運営担当の(産休)事情により、しばらく間が空いてしまうそうだが、開催される予定だ。新たなおばかアプリが集まることを期待している。
【@IT関連記事】
「第3回おばかアプリ選手権」当日の動画は、こちらのページから視聴できます
3回目はあるのか? おばかアプリ選手権レポート
D89クリップ(10) あの「おばかアプリ選手権」が再びお台場にやって来た。今回もカオスに満ちたプレゼンが吹き荒れ、進行は乱れまくることに。その模様をダイジェストで紹介
デザインハック < リッチクライアント 2009/7/17
第1回おばかアプリ選手権はこうして行われた
D89クリップ(7) デザインハック主催の「おばかアプリ選手権」が開催された。イベントの模様と披露されたおばかアプリを紹介する。秀逸なアプリ同士のアツイ戦いをご覧あれ
デザインハック < リッチクライアント 2009/3/19
ペパボ・家入氏が語る、バカとまじめの振り子の関係
D89クリップ(4) ユニークなデザインやサービスで注目されるペパボ。創業者の家入氏に、クリエータ兼経営者としてペパボが生み出す独創的なサービスへのこだわりを聞いた
デザインハック < リッチクライアント 2009/2/17
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.