自分の長所を見つけ、面接や履歴書で使えるように表現を直すために、下記の3ステップを使います。それでは、実際にYくんの事例でやってみましょう。
ここでは、日常生活をイメージして書いてみてください。
次に、STEP1で書いた場面の様子や、自分の良い面を書き出します。
洗い出した「良い面」を、社会人として評価される表現に変換します。
(1)家業やバイト経験から→実直に仕事に取り組む、苦手なことに時間をかけて取り組んで成果を出す
(2)家族や友人関係から→ 時間や規則を必ず守る、人に信頼してもらえる、言葉は少ないが人の話をよく聞く、誠実といわれる
(3)授業や専門領域から→専門の技術を向上させたい意思が強い 、緻密(ちみつ)な作業を継続するのが苦にならない、作業が正確である
(4)趣味や楽しみごとから→ 1つのことに夢中になれる、ささいなことからも楽しみを見い出して有意義な時間を過ごせる
よくいわれるとおり、短所は裏返すと長所になります。「人見知り」「細かいことが気になる」というのは、縁の下で緻密な作業を継続し、企業に貢献できる人といえます。社交的で弁が立つ人は、日の当らない作業が苦手で、悩むことがあるのです。
得意なことについては苦労せずにできてしまうため、人はそれが自分の長所であるとはなかなか付かないものなのです。当たり前と思っている「日常の能力」こそ、人のうらやむ、企業の求める力、長所と考えてみてください。
松浦 慶子
臨床心理士・日本カウンセリング学会認定カウンセラー。
国際基督教大学心理学科卒業、筑波大学大学院教育研究科カウンセリング専攻修了 。大学、専門学校での学生相談や講師、精神科睡眠障害外来での医療相談、EAP機関・ピースマインドにて社員や家族のカウンセリングなど、幅広く相談活動を行っている。
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