開発環境Visual Studioを使ったプログラミングに不可欠な知識とは? ソリューションの概念から画面構成まで基礎を習得しよう!
※ 本連載は、「簡単!Visual Studio 2008入門」「簡単!Visual Studio 2005入門」「簡単!Visual Studio .NET入門」を現在の最新環境に合わせて改訂したものです。
前回は、Windowsアプリケーション(C#言語を使用)の開発を例に取って、次のようなVisual Studio 2010(以下、VS 2010)の基本的な作業の流れについて解説した。
(1)VS 2010の起動
(2)プロジェクト(Windowsアプリケーション)の新規作成
(3)プロジェクトのビルド(=プログラムの生成)
(4)生成されたプログラムの実行
(5)VS 2010の終了(=プロジェクトの保存)
この一連の作業では、Windowsアプリケーションのプロジェクトを新規作成し、そこで生成されたWindowsアプリケーションのひな型のソース・コードを、そのままビルドしてプログラムを作成した。
しかし実際のアプリケーション開発では、上記の流れの(2)と(3)の間で、ひな型のソース・コードに独自のコードを追加する(=コーディングを行う)必要がある。この作業こそが、VS 2010での実際のプログラミング(=プログラム開発)作業となる。
そこで、続いては実際のコーディングに入っていきたいのだが、その前に、VS 2010プロジェクトとして生成されるソース・ファイルの構成や、VS 2010のIDEの画面構成とその使い方などについて、ひととおり理解しておく必要がある。さもないと、「どのファイルにコードを追加すればよいのか?」「どうやってコーディングすればよいのか?」が分からないはずだ。そこで今回は、これらコーディングの前提知識を中心に解説していく。
なお本稿では、VBはVisual Basicを、C#はVisual C#を意味する。
今回も、前回作成したWindowsアプリケーションのVS 2010プロジェクトを使用するので、まずはそのプロジェクトを開いてみよう。
VS 2010で既存のプロジェクトを開く方法には次の3通りがある。
この中で最も手軽で簡単な方法は、1のスタート・ページから開く方法である。
すでにVS 2010でプロジェクトを作成したことがある場合、IDE起動時には、デフォルトで中央に[スタート ページ]ウィンドウが表示される。そのスタート・ページ内の[最近使ったプロジェクト]の欄には、次の画面例のように、最近使用した既存プロジェクトがリストアップされる。
スタート・ページの[最近使ったプロジェクト]欄にリストアップされたプロジェクトのハイパーリンクをクリックするだけで、そのプロジェクトを開くことができる。この方法は、毎日同じプロジェクトで開発する場合や、(本稿の例のように)前回使用したプロジェクトを再び開くような場合に適している。
この方法以外の上記2と3の方法では、VS 2010プロジェクトの構成と構造、それに含まれるファイルについて正しく理解しておかなければ、プロジェクトを開くことができない。例えば、プロジェクトを構成するファイルの中で、プロジェクトを開くためのファイルがどれかを知っていなければ、プロジェクトを開くことができない。よって次に、プロジェクト構造やその中のファイル構成を知るために、前回作成したプロジェクトの内容を参照しよう。
では、前回作成したプロジェクトは、どこに格納されているのだろうか? 実はプロジェクトは、前回説明した[新しいプロジェクト]ダイアログで指定した場所にある。
前回の例では、「マイ ドキュメント」の「Visual Studio 2010\Projects」フォルダ(このフォルダは「マイ プロジェクト」と呼ばれる)をプロジェクトの[場所]として指定した。このフォルダをエクスプローラで開いてみよう(エクスプローラはWindows XPの場合、[スタート]メニューから[すべてのプログラム]−[アクセサリ]−[エクスローラ]を選択すれば起動できる)。
「マイ プロジェクト」フォルダを開くと、そのフォルダ内に前回作成したプロジェクト名のフォルダ(本稿の例では「WindowsApplication1」フォルダ)がある。そのフォルダを開いてみよう。この開いたフォルダの中身と、前回の[新しいプロジェクト]ダイアログの設定内容の関連を、次の画面で示す。
上の画面を見ると分かるように、(1)「マイ プロジェクト」フォルダ内に、前回作成したプロジェクトの「WindowsApplication1」フォルダ(=(2)ソリューション・フォルダ)があり、さらにその中に「WindowsApplication1」フォルダ(=(3)プロジェクト・フォルダ)がある(ただし、[新しいプロジェクト]ダイアログの[ソリューションのディレクトリを作成]チェックボックスにチェックを入れていなければ、ソリューション・フォルダとプロジェクト・フォルダは統合されて1つになるので注意すること)。
エクスプローラの画面でファイルの拡張子が表示されていない場合は、まずエクスプローラで[Alt]キーを押すと表示されるメニュー・バーから[ツール]−[フォルダ オプション]を選択して[フォルダ オプション]ダイアログを表示する。そして、そのダイアログの[表示]タブを開いて[詳細設定]一覧の中にある[登録されている拡張子は表示しない]チェックボックスのチェックを外し、ダイアログの[OK]ボタンを押せばよい。これにより、ファイルの拡張子が表示されるようになる。
このように、VS 2010でプロジェクトを新規作成すると、「ソリューション・フォルダ」とそのフォルダ内に「プロジェクト・フォルダ」という2つの基本フォルダが作成される。この2つのフォルダの違いについて説明しておこう。
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