震災で気持ちが揺らぐ就活生のためのメンタルヘルス理系学生のための「就活」お悩み相談室(11)(2/2 ページ)

» 2011年05月11日 00時00分 公開
[松浦慶子@IT]
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予定が大幅に崩れたことは皆同じ。では、次のアクションは?

 計画的な学生、熱心な学生の皆さんほど、「○月までに内定したい!」と目標を持って行動します。しかし、震災の影響で予定が崩れてしまい、思わぬ緊張感の“長期化”に、その緊張の糸が切れてしまいそうになる学生の話を多く聞きます。

 残念ながら、今回の震災は戦後最大の災害であり、これを乗り越えるのには時間がかかります。そして、今年度の就活生にとって「震災の影響を受ける」という条件は皆同じです。ここは、今年就職活動をすることになっためぐり合わせを受け入れ、復興によって生まれ変わる日本を思い描き、「自分は何ができるか」について考えてみましょう。

自分は未来のために何ができるか

 今回の震災にまつわるさまざまな報道を通じ、多くの職業人の活動を身近に感じることができました。作物や家畜を心より心配する農家の人、患者とともにいることを決断した医師や看護師、自衛官や消防隊、研究者や損保・金融、通信に運輸、建築土木……多くの職業人の「仕事への強い使命感」が見えないところでいかに日本を支えていたか、あらためて気付かされました。

 社会とは、それぞれの仕事の専門性と使命感、そしてその共働によって成立しています。今年に就職活動を行っている皆さんは、もともと厳しい就職活動であることに加え、震災によってさらなる不安が襲ってきたという現実を見て「何も手につかなくなった」かもしれません。それは当然のことです。

 しかし、皆さんは「復興のために共に働く」ことを企業に期待される人たちです。復興とはただ元の状態に回復するだけでなく、「問題を乗り越え、より良い社会にしていく」ことではないでしょうか。

 IT業界を志望する皆さんには、より便利なIT活用、災害に強い社会基盤の構築を行うなど、多くの期待が寄せられています。今回の震災で浮かび上がった日本の課題を見つめ直し、自分には未来のために何ができるか、専門分野や関心をどう役立てられるか、改めて自分に問い直してみてください。

使命感こそが、企業から信頼感を持たれる条件

 皆さんの専門性や意欲が、日本の再生を支えます。まずは混乱を少しでも解消し、あえて腰をすえて、誰かために何をやれるかについて、じっくり考えてみてください。

 その答えどんなに小さい事のように思えても、多くの職業がそうであるように、きっといつかどこかで誰かのために役に立ちます。じっくり考えた後出てきたあなたの使命感は、就職活動においても、企業から深い信頼を寄せられるものとなるはずです。

筆者プロフィール

ピースマインド

松浦 慶子

ピースマインド


臨床心理士・日本カウンセリング学会認定カウンセラー。

国際基督教大学心理学科卒業、筑波大学大学院教育研究科カウンセリング専攻修了 。大学、専門学校での学生相談や講師、精神科睡眠障害外来での医療相談、EAP機関・ピースマインドにて社員や家族のカウンセリングなど、幅広く相談活動を行っている。


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