Twitterと連携するFacebookアプリをPHPで作る無料クラウドでできるFacebookアプリ開発入門(4)(3/5 ページ)

» 2011年09月02日 00時00分 公開

Eclipse上でPHPの動作確認

 サンプルが開発環境で動作することを確認してみましょう。まずは、[Workbench]画面左側の[PHP Explorer]ビューで作成したプロジェクト名を選択し、メニュー[Window]→[Run Windows Azure PHP Project in Development Fabric]を選択します。

 何度かユーザーアカウント制御の許可を確認するダイアログなどが出ます。初回起動時は、[Development Storage Initialization]ダイアログが表示されStorage Emulatorの初期化が行われます。

図10 [Development Storage Initialization]ダイアログ 図10 [Development Storage Initialization]ダイアログ

 実行が開始されると、ドキュメントルートのindex.phpに書かれているphpinfo()の結果が表示されます。

図11 index.phpを表示 図11 index.phpを表示

Eclipseプラグインの機能でPHPアプリをAzureへ展開

 作成したWebアプリケーションをAzure上へ展開していきます。アップロードするパッケージファイルを作成しましょう。

 まずは、[Workbench]画面左側の[PHP Explorer]ビューで作成したプロジェクト名を選択し、メニュー[Window Azure]→[Create Windows Azure Service Package for Windows Azure PHP Project]を選択します。

 パッケージの作成が完了すると、パッケージのフォルダが開きます。{サービス名}.cspkgとServiceConfiguration.cscfgの2ファイルを「Window デベロッパーポータルからデプロイします。

 デプロイが終わりましたら、Webブラウザでアクセスして、動作していることを確認できます。ここまで、Eclipse使った簡単なAzure用PHPアプリの開発と本番環境へのデプロイについて解説してきました。

 複数開発者による分散開発したものをデプロイしたり、Nightly Buildを行う場合などは、CSPack、CSRunを利用すると便利です。次章で紹介します。

テキストエディタとコマンドでクラウドPHP開発

 ここからは、指定したファイルをBlobストレージに保存するだけの簡単なPHPアプリを開発します。Blobストレージへのアクセスには、「WebPIによるPHPアプリ開発環境の構築」で紹介したAzure SDK for PHPを使用します。

 使用するエディタに関しては、UTF-8の文字コードで保存が可能で、なおかつBOM(Byte Order Mark)が自動的に挿入されないものをお勧めします。スタートアップタスクにBOMがある場合、スタートアップタスクが実行されない可能性があるからです。本稿では、すべて「秀丸エディタ」を使用してテキストの編集を行っています。

 まずは、ローカルで通常のIISを使って開発を始めます。その後、Azure本番環境へアップロードできるように、コマンドを使って手動でパッケージを作成し、Azure本番環境にデプロイします。このために、詳しくは後述する「CSPack」「CSRun」というコマssンドを入手して使います。

 開発するアプリは、ローカルで実行するときにStorage Emulatorを使用するので、事前に起動しておきます。Storage Emulatorの起動は、Azure SDKをインストールしてあれば、スタートメニューから使えます。

 初回起動時は、[Development Storage Initialization]画面が表示され、Storage Emulatorが初期化されます。

図12 Storage Emulatorの初期化画面 図12 Storage Emulatorの初期化画面

ファイルをBlobに保存するPHPアプリの作成

 まず、ファイルを選択するページの「index.htm」を「wwwroot」フォルダの直下に追加します。今回は、以下のような内容で作成します。

index.htm
<head>
  <title>ファイルアップロード</title>
</head>
<body>
  <h1>Azureサンプル</h1>
  <form method="post" enctype="multipart/form-data" action="upload.php">
    <input name="file" type="file" /><br />
    <br />
    <input type="submit" value="アップロード" />
  </form>
</body>
</html>

 次に、ファイルをBlobに保存するページとなる「upload.php」を追加します。ファイルの保存先としてStorage Emulatorを使い、動作を確認します。以下のような内容で作成します。

upload.php
<?php
require_once 'Microsoft/WindowsAzure/Storage/Blob.php';
 
$msg = 'ファイルをアップロードできません。';
 
if (is_uploaded_file($_FILES['file']['tmp_name'])) {
    $host = Microsoft_WindowsAzure_Storage::URL_DEV_BLOB;
    $accountName = 'devstoreaccount1';
    $accountKey = 'Eby8vdM02xNOcqFlqUwJPLlmEtlCDXJ1OUzFT50uSRZ6IFsuFq2UVErCz4I6tq/K1SZFPTOtr/KBHBeksoGMGw==';
    $usePathStyleUri = true;
    $blobContainerName = 'filecontainer';
    $retryPolicy = Microsoft_WindowsAzure_RetryPolicy_RetryN::retryN(3, 100);
    $blobStorageClient = new Microsoft_WindowsAzure_Storage_Blob($host, $accountName,$accountKey, $usePathStyleUri, $retryPolicy);
    if (!$blobStorageClient->containerExists($blobContainerName)) {
        $blobContainer = $blobStorageClient->createContainer($blobContainerName);
        $blobStorageClient->setContainerAcl($blobContainerName,Microsoft_WindowsAzure_Storage_Blob::ACL_PUBLIC);
    } else {
        $blobContainer = $blobStorageClient->getContainer($blobContainerName);
    }
    $fileName = $_FILES['file']['name'];
    $result = $blobStorageClient->putBlob($blobContainerName, $fileName,
    $_FILES['file']['tmp_name']);
    $msg = " $fileName ファイルをアップロードしました。";
}
?>
<html>
<head>
  <title>ファイルアップロード</title>
</head>
<body>
<?php
    echo $msg;
?>
</body>
</html>

 以上の作業で終了したら、早速Webブラウザを起動し、Webサイト(通常は「http://localhost/」)にアクセスしてください。

図13 Compute Emulatorでの実行画面(Webブラウザ) 図13 Compute Emulatorでの実行画面(Webブラウザ)

 ページが表示されたら、適当なファイルを指定して「アップロード」ボタンをクリックすれば、ページが遷移しファイルの登録が完了します。

図14 Compute Emulatorでの実行結果画面(Webブラウザ) 図14 Compute Emulatorでの実行結果画面(Webブラウザ)

 アップロードしたファイルは、「CloudXplorer」「Azure Storage Explorer」などのアプリで確認できます。

 次ページでは、パッケージ化してローカルのエミュレータで動作確認しクラウドにデプロイします。

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