続いて、業務外の取り組みについて。意外に思うかもしれませんが、「業務」で何をしたかより、「業務以外」で何をしたかが、職務経歴書において最も重要な項目です。なぜなら、業務外の取り組みは、これだけのアピールポイントがあるからです。
エンジニアは常にスキルを磨き、新しい技術にキャッチアップすることが求められる職業です。素振りをしない野球選手がプロとしてあり得ないように、勉強しないエンジニアはプロとしてあり得ません。
業務外のアウトプットをまとめておくことは、普段の勉強をアピールする最も簡単で有効な手段です。これは、一朝一夕に準備できるものではないので、普段から意識して整えておきましょう。
「業務外のアウトプット」としてアピールできるのは、以下のようなものがあります。
●自分で作ったWebサイト
小規模であっても、インフラの準備からコンテンツとしての公開までを1人で行える、ことは強いアピールになります。ただし、エンジニアの技術アピールですから「○○のホームページ」のような牧歌的なものではなく、なんらかのプログラミングを伴った「Webアプリケーション」でないとアピール効果は薄いでしょう。
書類にはWebサイトのURLに加えて、使用した技術(言語やフレームワークなど)、完成までにかかった時間、工夫したところや特に見てほしいアピールポイント、開発中に起きた問題とその解決策などを書くと効果的です。
●ブログ
もちろん、日常のゆるふわ日記ではありません。エンジニアであれば、普段から技術を高めるためのさまざまな取り組みをしているはずです。その記録をきちんと残しておくことを強くお勧めします。記録は後で見直せるので、自分のスキルアップの手助けになります。それに、誰でも簡単に閲覧できるようにしておけば、スキルの具体的なアピールになります。
記事として書くべき内容は、
などです。なるべく技術的な内容に絞り、普段の日記は別の場所に書くとよいでしょう。
●ソースコード
エンジニアの皆さんには、githubのアカウントを取得することを強くお勧めします。もちろんBitbucketやSourceForge、Google Codeでも構いません。公開できるソースコードはどんどんさらしましょう。
なぜなら、プログラマの一番効果的なアピールは、ソースコードを見てもらうことだからです。イラストレータに仕事を頼むとき、過去に描いたイラストを見ずに発注することはあり得ません(よね?)。ですが、今までプログラマの採用においては、なぜか「あり得ない」がまかり通ってきたのです。しかし、そろそろそんな時代も終わろうとしています。
あまりプログラミングする機会がないインフラエンジニアでも、怖がることはありません。設定ファイルやサーバ管理用シェルスクリプトなど、管理しておくべきファイルはいろいろあるはずです。その場合は「gist」という仕組みがあるgithubが適しているように思います。
リポジトリがたくさんある人は、その中でも特に見てほしいリポジトリを併記しましょう。
●ソーシャルメディア
普段、TwitterやFacebookを使っていますか? 隠していてもバレるケースが大半なので、思い切って書いてしまいましょう。
Web系企業の場合、むしろ「Twitterに何も書いてない人」は向いてないと判断されるケースがあるかもしれません。Webサービスの開発を依頼するとして、最新のWebサービスに精通している人と全然使っていない人、どちらにお願いしたいですか?
さて、まとめに入ります。
採用担当としては「自己PR」は「一番読みたいところ」なので、ついついアツく語ってしまいます。
実際、自己PRで書くことはどれも大事なことばかりです。特に、普段から業務外でスキルアップに取り組むこと、そしてそれを記録・整理しておくことは、転職活動において大きな武器になります。
アウトプットすれば、あなたのスキルは確実に上がります。あなたのエンジニアとしての「味わい」が秋とともに深まること祈って。それではまた次回。
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