Office文書には、作成者や会社名などの情報がプロパティに記録されている。社外に文書を送付する場合、こうした情報が残っていては都合の悪いことがある。Office 2010では、ドキュメント検査機能でプロパティなどの不要な情報の削除が簡単に行える。
対象ソフトウェア:Office 2010 (Office XP/2003/2007はこちら→)
Microsoft Officeで作成された文書(Office文書)は、ビジネスの現場で標準フォーマットとして、社内のみならず、社外とのやり取りにおいてもごく普通に使われるようになっている。しかしOffice文書のプロパティには、[作成者]や[会社名]、場合によっては元となったファイルの名前などの情報が、ユーザーの意図しないところで記録されていることを知らない人も多い。
またコメントや注釈などが残っていたり、Excelの場合は非表示にした行や列、ワークシートなどが残っていたりして、他人に見られると都合が悪い場合もある。これらの情報は、Officeに少しでも詳しいユーザーなら、設定の変更などによって容易に閲覧できてしまう。特に社外の人に渡すOffice文書にこうした「余計」な情報が残っていると、文書ファイルの流用がばれてしまったり、非表示で埋め込んだ原価が社外にもれてしまったり、といった無用なトラブルを招きかねない。
Office文書を組織外に送付する際には、プロパティなどを確認し、こうした情報を削除するようにした方がよい。ただ手動でこうした情報を削除するのは手間がかかる上、削除し忘れてしまうこともある。Office 2010の場合は、こうした社外には出したくないプロパティ情報などが残っていないかチェックし、簡単に削除する「ドキュメント検査」という機能が実装されているので、この機能を利用するとよい。社外に送付する前にこの機能を実行し、不要な情報を削除しておく習慣をつけるとよいだろう。
Office XP/Office 2003/Office 2007におけるプロパティ情報などの削除方法については、TIPS「Office文書ファイルに含まれているプライバシー情報を削除する」を参照していただきたい。
プロパティなどの情報を削除したい文書をOffice 2010で開いたら、[ファイル]タブの[情報]メニューを開く。[問題のチェック]アイコンをクリックし、表示されたメニューから[ドキュメント検査]を選択する。
[ドキュメント検査]ダイアログが表示されるので、ここで削除する必要のない項目のチェックを外す。Excelの場合は、ここで「非表示の行と列」や「非表示のワークシート」などもチェック対象にできる。[検査]ボタンをクリックすると、チェックした項目が含まれているかどうかの確認が行われる。なお査読の回覧などの場合は、「コメント、変更履歴、バージョン、および注釈」のチェックを外しておくこと。チェックしたままにして、せっかく入れたコメントや修正などを誤って削除してしまわないようにしよう。
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Excelの場合、[非表示の行と列]や[非表示のワークシート]は、[すべて削除] をクリックすると含まれていたデータやワークシートが削除され、行や列が再表示される。そのため、計算途中の数値を非表示にした行や列に記録しておき、その数値を使って別の計算を行っているような場合、[非表示の行と列]を削除してしまうと計算結果が正しく表示されなくなるので注意が必要だ。
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