ファイル履歴に保存されているファイルを復元するには、ファイル履歴の管理画面にある[個人用ファイルの復元]というリンクをクリックする。もしくは、エクスプローラでファイルやフォルダを選んでから、ツール・バーにある[履歴]アイコンをクリックする。
すると次のように、(デフォルトでは)最新のバックアップ・セットが表示されるので(ファイルを選んで[履歴]ボタンを押した場合はプレビュー・モードになる)、ここから必要なファイルを選択して復元する。
一番下にある左右の矢印のボタン((4)と(6))でバックアップ・セットを選び、必要なファイルやフォルダを選択してから(複数選択可)、復元ボタン((5))をクリックすると復元できる。項目を選択してから右クリックすると、[プレビュー][復元][復元場所の選択]のポップアップ・メニューが表示されるので、そこから選んでもよい。ファイルを選択せずに[復元]ボタンをクリックすると、このフォルダ内の全ファイルが復元の対象となる。復元ボタンではなく、ファイルやフォルダを直接ダブルクリックすると、その内容を確認する「プレビュー」モードになる。例えばテキスト・ファイルをプレビューさせると、このダイアログ内にファイルの内容が表示される。
ファイルやフォルダを復元させる場合、基本的には元のファイルと同じ場所へ上書きされるが、競合する項目などがあると次のように確認ダイアログが表示されるので、適切な操作を選択する。
元のファイルと別の場所へ復元させるには、[復元]ボタンではなく、右クリックしてポップアップ・メニューから[復元場所の選択]を選択するか、[オプション]ボタンをクリックして[復元場所の選択](2つ上の画面の(10))を選択する。するとファイルの復元場所の選択ダイアログが表示されるので、適切な場所を指定する。
ファイル履歴でユーザーが設定できる管理用項目はそう多くない。バックアップ用のローカル・ディスクやネットワーク共有フォルダの切り替え、バックアップ・スケジュールの設定ぐらいである。
ファイル履歴の管理画面で、左側にある[ドライブの選択]をクリックすると、現在使用中のバックアップ先ドライブなどの情報が表示されるので、ここで新たなバックアップ先を追加して、ドライブを切り替える。ドライブを変更すると、現在のドライブに含まれるバックアップ・セットが新しいバックアップ先へコピーされ(コピーさせないことも可能)、以後は新しいドライブがファイル履歴の保存先として利用される。アクティブなバックアップ先は1ドライブのみなので、複数登録した場合は手動で切り替えることになる。ドライブを切り替えても、元のドライブに保存されているファイル履歴は残ったままなので、後でまたファイル履歴の保存先ドライブとしてマウントし直せば内容を取り出せる。
[除外するフォルダー]というリンクをクリックすると、デフォルトのバックアップ元フォルダのうち、特定のフォルダなどをバックアップから除外できる。バックアップが不要なフォルダや、バックアップするには大きすぎるフォルダなどを除外指定する。
[詳細設定]のリンクをクリックすると、ファイル履歴の作成スケジュールなどを設定できる。
デフォルトではファイル履歴のコピーは1時間ごとに行われることになっているが、(1)の設定を変更すれば、この間隔を変更できる。ただし実際のバックアップ処理は指定された時刻にシステムがアイドル状態になっていないと行われないので、常に1時間ごとに処理が行われるわけではない(直前のバックアップ・セットから変更がない場合も、何も行われない)。
(3)の設定を変更すると、ファイル履歴の最大保存期限を設定できる。デフォルトではディスクがいっぱいになるまで行われるが(いっぱいになれば古いファイルから順次削除される)、期限を設定すると自動的に期限切れのバックアップは削除される。また(4)のリンクをクリックすると、次のように、手動で古いファイル履歴を削除できる。
ファイル履歴で自動的にバックアップできる対象はライブラリやお気に入り、連絡先など限定されたものだけである。それ以外の特定のフォルダなどをファイル履歴でバックアップしたければ、新しいライブラリを追加作成するとよい。ライブラリはWindows 7で導入された新しい機能で、ドキュメントや画像、写真、音楽などのファイルをまとめて管理する仮想的なフォルダである(連載 Windows 7新時代 第4回「Vistaから進化した新しいユーザー・インターフェイス」)。例えばC:ドライブの\Projectフォルダもファイル履歴で管理したければ、C:\Projectフォルダを含むようなライブラリ項目を新規作成する。
新しいライブラリを作成するには、エクスプローラの左ペインで「ライブラリ」という項目を右クリックし、ポップアップ・メニューで[新規作成]−[ライブラリ]を実行する。そうして作成した「新しいライブラリ」という項目を右クリックして[プロパティ]メニューを実行すると次のようなダイアログが表示される(「新しいライブラリ」を開いて、[フォルダの追加]ボタンをクリックしてもよい)。そこでローカルのフォルダなど(この例では「C:\Project」)を追加すると、ユーザー独自のライブラリができる。
Windows 8のファイル履歴は、Windows 7などで利用できる「以前のバージョン」に比べ、ユーザー・データなど特定のファイルしかバックアップできない。しかし、その分動作が軽く、高頻度なバックアップが可能だし、ユーザー権限で動作するので、管理者権限を持たないユーザーでも簡単に使える。ぜひ活用したい機能だ。
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