Controllerを定義してActionを使ってメソッドを実装したら、そのメソッドをURIと対応させます。そのためのルーティング情報を定義するのがconfディレクトリにあるroutesファイルです。このファイルはルータによって読み込まれる設定ファイルであり、アプリケーションで使用する全てのルーティング情報を記述します。
先ほども説明したように、ルーティング情報としてはHTTPメソッド、URIパターン、アクションの呼び出しの順番で定義します。以前の例では固定URIをパラメータなしでControllerにマッピングするシンプルなものでした。routesファイルによるルーティング定義はいくつかの書き方があるので、それについて解説します。
なお、このルーティングについての解説は、Play framework公式サイトにあるHTTPルーティングに基づいています。
routesファイルのHTTPメソッド部分には、HTTPがサポートするメソッド(GET、POST、PUT、DELETE、HEAD)を使えます(HTTPのメソッドについては、@IT記事などを参考にしてください)。
これまでのサンプルではURIはすべて静的でしたが、パスの一部を動的にすることも可能です。conf/routesファイルに次のような定義を追加しましょう。
GET /sample3/:id controllers.SampleController.sample3(id:Long)
「:id」が動的に定義されたパス部分です。例えば、「http://localhost:9000/sample3/1000」といったリクエストが来た際に、URIの「1000」となっている部分がsample3メソッドの引数「id」にバインドされます。
SampleControllerには次のようなメソッドを追加します。
def sample3(id:Long) = Action { Ok(views.html.index("id:" + id)) }
Playコンソールからアプリケーションを起動し、「http://localhost:9000/sample3/{任意の数値}」にアクセスしてみてください。画面に{任意の数値}として入力した数値が表示されます(※動的パスは複数定義可能です)。
また、クエリ文字列をControllerのメソッドの引数にバインドすることもできます。下記のように/sample3のリクエストとSampleController#sample3メソッドをマッピングしてみましょう。
GET /sample3 controllers.SampleController.sample3(id:Long)
この定義で「http://localhost:9000/sample3?id=1000」とアクセスした場合、sample3メソッドの引数(id)に、クエリ文字列の値「1000」がsバインドされます。
URI指定にはワイルドカードを使うこともできます。次のようにURI指定に「*path」と指定したケースを見てみましょう。
GET /sample4/*path controllers.SampleController.sample4(path)
このケースで「http://localhost:9000/sample4/foo/bar/buz」とアクセスした場合、pathには「foo/bar/buz」という文字列がセットされます(型を指定しない場合、Stringとして解釈されます)。
また、任意の正規表現を定義することもできます。URI中で動的なパスにしたい個所で「${パラメータ名}{正規表現}」と記述するだけです。
sample3メソッドの動的パス部分で指定できる値を数値に限定してみましょう。
GET /sample3/$id<[0-9]+> controllers.SampleController.sample3(id:Long)
この状態で「http://localhost:9000/sample3/abc」などとアクセスした場合、条件に合うActionが見つからない旨のエラーになります。
今回はPlay 2.0のController、Action、HTTP Routerについて基本的な使い方を紹介しました。Controller/Action/Routerは今回紹介した以外にも、いろいろな機能を持っています。
次回は、そういった応用的な機能について解説する予定です。
中村修太(なかむら しゅうた)
クラスメソッド勤務の新しもの好きプログラマです。昨年、東京から山口県に引っ越し、現在はノマドワーカーとして働いています。好きなJazzを聴きながらプログラミングするのが大好きです。
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