午後のセッションでは同社インフォメーション・マネジメント事業部マーケティング・マネージャ 中林 紀彦氏(写真)が登壇した。中林氏はIBM内で「データサイエンティスト」としての肩書きも持つ。同氏は「ビッグデータ活用というと“ロケットを買って宇宙旅行をする”というようなレベル感の壮大なIT投資を想像してしまうお客さまが多いようですが、実際にはスモールスタートが可能なもの」と、手軽にできるデモをいくつか披露した。
デモの1つとして紹介があったのが、リアルタイムでの動画分析だ。
デモでは、当日の基調講演で撮影したパネルディスカッションの動画から顔を検出して画像を加工するというもの。顔検出部分の処理には、画像処理で一般的に利用されることの多いOpenCVのライブラリを使っている。
OpenCVでは、よく使う用途向けの機能がライブラリとして用意されているので、アプリケーションはすぐに作成できる。中林氏も「一昨日の夜、1時間程度で作成した」と語る。
他には、電力消費の予測値と実測値をストリーム処理するデモやPM2.5の拡散シミュレーションなども披露された。こうした処理が手軽にできればIT活用の新しいアイデアへとつながる可能性がある。
会場では同時に新製品の紹介も行われた。日本IBMでは、2013年4月4日に「IBM DB2 V10.5」を発表している(関連記事)。特徴的なのが分析処理を高速化する技術「BLUアクセラレーション」の搭載だ。これによって、DB2はトランザクション処理と分析処理の両方を受け持てるハイブリッドなデータベースへと進化を遂げている。
また、「PureData System for Hadoop」のリリースもアナウンスされた。PureData Systemに4つ目の製品となる(他の3製品については関連記事参照)。おおざっぱに言うと、PureDataのプラットフォームにBigInsightsを組み込んだものと考えていいだろう。提供開始は2013年第3四半期を予定しているという。
ピッチャーノ氏は「IBMはあらゆるデータを理解し、データを価値に変える方法を知っています」と胸を張る。技術、経験、そして投資も含め、あらゆる面でIBMは引けを取らないとばかりに自信の表情を見せた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.