想定するユーザーを「ペルソナ」としてモデリングするUXデザインのススメ(4)

ユーザーを「ペルソナ」として、1人の人物のように定義しよう。特徴的な属性・好みや行動パターンは? さらに、ゴールを設定し、どのように行動するかを物語形式のシナリオを作ろう。

» 2013年05月15日 16時49分 公開
[金山豊浩ミツエーリンクス]

 この連載では、「優れたUX」はどのように実現すれば良いのか、ソフトウェア開発現場のシーンを切り出し、4コマ漫画形式(漫画作成ソフト「コミPO!(コミポ)」を使用)で紹介しています。

 初回の「もし新人女子営業が『UXデザイン入門』を読んだら」で、新人女子営業の服好舞さんが『UXデザイン』を実践して、ソフトウェア開発の社内コンペに勝つまでをご紹介しました。2回目「『UXデザイン』にプロセスって必要ですか?」では、UXデザインを実践する5つのステップ「1. デザイン調査」「2. ユーザーモデリング」「3. ストーリーボード」「4. スケッチ、プロトタイプ」「5. ユーザビリティテスト」を通してUXデザインの全体像を把握しました。

 3回目「ユーザーニーズって、誰に何をどうやって聞けばいいの?」は、『UXデザイン』を実施する5つのステップの最初となる「1. デザイン調査」で、利用者のニーズを把握するための質問について考えました。

 4回目となる今回は、調査結果から利用者を「ペルソナ」としてモデル化し、共有する「2. ユーザーモデリング」についてお話しします。

 通常、調査は複数人に対して行うので、大量のビデオや発言録が調査結果として出てきます。このままでは、製品・サービスを考える人には伝わりづらいので、重要ポイントを抽出・整理してモデル化したものを作成します。製品・サービスのユーザーについて特徴的な属性・好みや行動パターンを記述して、1人の人物のように定義したのが「ペルソナ」です。

 そして、その利用対象者のペルソナのゴールを設定し、ゴールに対してどのように行動するかを物語形式のシナリオで記述します。

 そうすることで、ペルソナが、どんな目的で何をするのかが、製品・サービスを利用する文脈とともに伝わるので、考慮すべき重要なポイントが分かりやすくなります。

 今回は、「2. ユーザーモデリング」についてお話ししました。次回は「3. ストーリーボード」についてです。お楽しみに。

著者プロフィール

金山豊浩(かなやま とよひろ)

ミツエーリンクス UXエバンジェリスト [2011年〜]

UXを啓蒙するため、執筆・講演・研究などの活動に従事。

最近特にUXデザインワークショップ開催の実施に注力している。


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