PHPにも対応したPaaS「Google App Engine」、オブジェクトストレージ「Google Cloud Storage」、IaaS「Google Compute Engine」などについて、事例も交えて紹介する。
グーグルのCloud Platformは「Google App Engine」「Google Compute Engine」の2つを中心にオブジェクトストレージやDBなどデータストアや分析基盤など周辺のサービスを充実させている。Google I/O 2013では24セッションも用意され、注目度の高さがうかがえる。
本稿では、Google Cloud Platformの全体の概要、サービスごとのトピック、事例を紹介する。Google I/O 2013の基調講演については、記事「Android、Chrome、Google+、Mapsは偉大なモノになれるのか〜Google I/O 2013基調講演参加レポート」を参照してほしい。
Google Cloud Platformの全体的な概要は次のセッションで紹介された。
Google Cloud Platformは複数のサービスで構成されている。
Google IO 2013で新規に発表された内容は以下の通りである。
セッションでは、これらのサービスを組み合わせた写真共有サイトのデモンストレーションが紹介された。
このサイトはユーザーからのアクセスを「Google App Engine for PHP」を利用して受け付け、ユーザー管理データはGoogle Cloud DBに、写真はGoogle Cloud Storageに保存する。
また、他のユーザーからの写真へのコメントはGoogle Cloud Datastoreを利用している。サムネイルへの写真の変換はGoogle Compute Engine上で行われ、大量に写真がアップロードされた場合にはインスタンスを増やすことで変換処理を並列に行い、負荷分散可能な構成になっている。
このセッションではGoogle Cloud Storageへ巨大データセット移行を「gsutil」で行う場合の取り扱い方を示した。
「gsutil」はGoogle Compute Engineを管理するためのPythonで記述されたコマンドラインツールで、UNIXコマンドのように利用できる。巨大データセットの移行にはファイルを並列送信することで高速化できるオプションを用意している。1つのファイルが大きい場合には分割して、巨大データセットと同様のアプローチをすることで高速化する。
またサービスを停止せず5Pbytesのデータセットを5週間で移行した事例が紹介された。
現在は米国内の住所からに限るが、グーグルにディスクを送付してデータを取り込むサービスもある。
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