賞金総額130万円のコンテストを勝ち上がった8つの優秀アプリと1つの大賞アプリを今年の流行を振り返りながら紹介する。
対応端末や開発ツールが出そろい、簡単に作りやすくなってきたWindows 8アプリ。@ITが今年の3月8日〜5月12日に開催したコンテスト「エイっと作ろう! Windows ストアアプリ選手権」では、数百本のアプリが投稿され大きな盛り上がりが見られた。Windows 8.1もリリースされ、本格的な普及が進むことが予想される中、続いて「2013流行語アプリ選手権&総選挙結果報告」というコンテストを開催した。
このコンテストは、2013年9月1日〜12月8日(コンテスト応募開始時12月1日が締め切りだったが、応募者多数につき1週間延長)に新たにWindowsストアに新規公開されたアプリを募集し、入賞したアプリの制作者には総額130万円の賞金を授与するというもの。
また、このコンテストでは応募されたアプリの中からお気に入りのアプリをユーザーにWeb上で投票してもらう「総選挙」も実施。応募者は、ブログやソーシャルメディアなどを利用した「アプリの選挙運動」を行っていた。
では、どのようなアプリが入賞したのか、今年の流行・出来事を振り返りながら順に見ていこう。
この部門では、「今からアプリ開発を始める人でも、アイデアやコンテンツ次第で面白いものが作れる可能性が広がる」ように、初心者でも簡単にWindowsストアアプリが作れる「Windows 8 アプリ開発体験テンプレート」の利用を必須条件にした。
例えば編集部で初心者でも簡単にWindowsストアアプリが作れるとして想定していたのは、2013年夏に終了して話題になった「Googleリーダー」にとって代わるようなRSSリーダーアプリ、2013年5月バージョン1.0が終了することで話題になった「Twitter API」を使うアプリ、2013年、各出版社が本格的に展開を始めた「電書化」にちなんで、著作権フリーのコンテンツや私用のテキスト・画像などをePub/PDF化して読みやすくさせるアプリなどだ。チャレンジ精神を大歓迎する部門であったが、その栄冠を勝ち得たのは、以下のアプリだ。
タブレット端末の登場で、コンピューターはさらに身近になりました。それに伴い、子どもたちにもコンピューターがより身近なものになってきています。多くの子どもたちにコンピューター(タブレット端末など)で、想像力を広げたり、好奇心を広げたり、さまざまな学習をして、無限の可能性を広げてもらいたいとの思いで制作しているアプリの1つです。今回制作した「つみき あそび」では、幼児期の想像力を伸ばすお役に立てればと思い制作しました。
テンプレート「ホワイトボード アプリケーション テンプレート」をうまく活用し、かつテンプレートっぽくない見た目で分かりやすい。
2013年は、TVドラマ「あまちゃん」や、非公認ご当地ゆるキャラ「ふなっしー」などが人気を博していた。この部門では、「アプリでもご当地を盛り上げよう」ということで、出身地は問わず、ユニークなご当地Windowsストアアプリを募集した。
※「年末年始にタブレットでおばか騒ぎアプリ」部門とダブル受賞
テレビで有名なアハムービーアプリです。仕事の仲間にアイデアをもらっていたけれど、なかなか自分なりのテーマが見つからず頓挫していましたが、今回「ご当地」というアイデアをいただいて製作できました。現在、1つの施設の写真しかありませんが、それでも「福山ってこんな施設もあるんだ!」って発見を提供し、少しでもご当地に足を向けてもらえるようになればいいなって思っています。
まさしく「ご当地」のテーマにあったアプリで、UIが良い。
「LINE POP」「パズドラ」「艦これ」などなど、2013年も新しいタイプのゲームが流行した。この部門では、それらに負けないぐらい「激面(げきおも)」なWindowsストアゲームアプリを募集した。
青と緑の(チェック模様の)Cubeをタッチをして全て破壊しましょう。赤のCubeを床から下に落としてしまうとGame Overです。楽しんでね!
考えさせられてやっているうちにはまってしまうアプリ。この部門は票が割れたが、「激面(げきおも)」という視点を加味して今回のアプリを選考している。
2013年、多くのクラウドベンダーが対応を始めた「BaaS」。この部門では、BaaSの1つである「Windows Azureモバイルサービス」を使っているWindowsストアアプリを募集した。
おはようたいむしふとは、生活時間が合わず20秒くらいの短いあいさつすらもできずにいる親子の時間差を動画録画によるタイムシフトで埋めるためのコミュニケーションツールです。親御さんが出掛けるときに「おはよう」と録画し、お子さんが起きたとき、それを再生しつつ同時に録画します。録画データはローカル保存ですが、クラウド保存にすることでクラウド経由で、子どもが見たときの録画を外出先で見たり、離れている親子の間で使うこともできます。クラウド上のデータは親子のアカウント以外で見ることはできません。
タブレットの利用シーンを広げるアイデアがよく、BaaSもしっかり活用。投票数も多い。
ちなみに、コンテスト途中では、日本マイクロソフトの公式キャラ「クラウディア・窓辺」も駆け付けた。
「3Dプリンター」や空中ジェスチャ操作デバイス「Leap Motion」、小型コンピューター「Raspberry Pi」、ヘルスケアデバイスの「Fitbit Flex」「Jawbone UP」、そして「ウェアラブルデバイス」など、2013年も新しいタイプのデバイスが流行した。この部門ではデバイスと連携するWindowsストアアプリを募集した。
時刻指定機能付き付箋とカウントダウンタイマーです。Bluetooth 4.0 LEに対応したG-SHOCKと連携して、1分前と設定時間にG-SHOCKへメッセージが送られます。
※G-SHOCKとペアリングした状態で、アプリオプションから連携をオンにした場合
です。
※このアプリはCASIO社とは無関係です。
※Windows 8.1ストアアプリ専用です。Windows 8では使用できませんので、ご了承ください。
一見パソコンとは直接関係ないように見える周辺機器をうまく活用したアプリである。
2013年は「ハーレムシェイク」「マカンコウサッポウ」「進撃の巨人ごっこ」といったムーブメントがWeb上でも人気を集めた。この部門では、年末年始にタブレット端末を使って、1人でも大勢でもそれらに負けないくらい「バカ騒ぎ」できるWindowsストアアプリを募集した。
※「ご当地をアプリで盛り上げようじぇ!」部門とダブル受賞
合成音声が発した言葉を聞き取るゲームです。できるだけ多くの人数が参加して遊ぶには、画面を見ないでも参加できればよいと考えて作成しました。Windows 8.1では合成音声が使いやすいこと、また、合成音声アプリは可能性が高いテーマであること(Siriやボーカロイドなど)が、このアプリを開発する大きな後押しなりました。日本語ロケール以外の端末を考えなかったため、何度もリジェクトされてしまったことが一番苦労しました。
賞の定義の通り「年末年始に1人でも複数人でも楽しめる」アプリ。
2013年のモバイル開発の流行としては「モバイルアプリのネイティブ化」があった。Windowsストアアプリは、HTML+JavaScriptを使ってネイティブアプリが作れることもあり、この部門では、WebコンテンツやWebサービスを利用したアプリを募集した。
「診断リーダー for Win8」は診断メーカー用のビューアーアプリです。サイトから
情報を取得し、診断結果を表示します。使う名前を保存し、さまざまな診断を素早く見ることが可能です。
ちゃんとWebサービスを使いながらアプリとしてうまく仕上げていた。
この部門では、以下の流行語にちなんだキャラ素材を少なくとも1つは使用したWindowsストアアプリを対象とした。
今出しょう子、明日出良男、えいっ子のカードゲームです。コンピューターとの対戦ゲームです。手軽に楽しめるように作ってあります。複雑なルールは排除してあります。※強引に流行語を詰め込んでいますので、ご注意ください。
Imajan
想像してごらん
オリジナルカードゲームを作ってたはずがどう見ても簡易麻雀ができてしまった現実を。
キャラを使用する必要性のないと思われるアプリは対象外とした中、このアプリは複数のキャラをうまく使い、楽しい。
そして、これらの流行語アプリ神8(エイト)賞のアプリたちを上回る、センターアプリ大賞の座に輝いたのが、以下のアプリだ。
物理エンジンにbox2dwebを使用した万華鏡です。加速度センサーに対応しているため、タブレットをお使いの方は本体を傾けて楽しんでください。その際、「画面の自動回転」はOFFにしておいてください。画面をドラッグしたり、キーボードのカーソルキーで操作をすることもできます。
タブレットの特性を生かしている。視覚的にもキャラをうまく使い美しい。
3カ月に及んだ本選手権の結果はいかがだっただろうか。これらのアプリは全て無料となっているので、ぜひ年末年始にでもダウンロードして、今後のアプリ開発の参考にしていただきたい。
そして、今回も多数のアプリをご応募いただいた開発者をはじめ、アプリの投票に参加してくれた方々には、感謝の気持ちでいっぱいだ。通常業務に追われながら、合間を縫ってのアプリ開発は、並々ならぬ苦労があったことは想像に難くない。多大な敬意をもって御礼の言葉と代えさせていただく。@ITでは、今後もこういったコンテスト企画を行っていければと思うので、その際はぜひまた参加いただければ幸いだ。
また今回と前回のコンテストで話題を集めた今出しょう子の存在は、読者や参加者の皆さんの印象に残ったことだろう。NAVERまとめやPixivでも取り上げられ、ついには、3Dモデリングコンテストの顔になってしまった。
来年は、今出しょう子がどんな活躍するか分からないが、ひとまず今出しょう子には「お疲れさま」といいたい。ありがとう今出しょう子。
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